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2011-10-10

[]有能 17:14 有能 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 有能 - 西川純のメモ 有能 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 ある方から「先生の考えている、「子どもたちは有能」とする考え方の「有能」とは、とくに子どものどういったところを「有能」と考えていらっしゃいますか?私は、子どもたちの「知的好奇心」のことかな?と、ある本を読んでいて感じました。」という質問を受けました。大事なことなのでメモります。

 私の考える有能とは文字通り、有能です。

 例えば、アインシュタインとある学校の6年生の一クラス30人と比べましょう。

 与えられた課題が微分方程式を解くという課題だったら、アインシュタインの方が遙かに有能です。おそらく日本中の全部の6年生を合わせたより有能でしょう。

 しかし、3桁の足し算を筆算で計算するという課題だとしたら、30人の6年生の方が有能だと思います。だって、アインシュタインだって6年生の30倍速く計算できるわけではありません。30人で分担すれば、遙かに早いはずです。仮に30倍計算が速く立って、30倍速く筆算を「書ける」わけありません。

 そして、そのクラスが『学び合い』をやっているクラスだったとしたら、そのクラスの●ちゃんが計算間違いをしたとしたら、その原因は何かを言い当てる事に関しては、アインシュタインはそのクラスの一人にもおとります。そこで必要なのは、どれだけの時間を共有しているかが決定的ですから。

 そして、そのクラスの●ちゃんがやる気をなくしたとき、「やろうよ」と声をかけたときの影響力も、そのクラスの一人よりもアインシュタインは劣ります。

 そう考えれば、現実の教室で一人一人の子どもが悩んでいることを一人も見捨てずに解決することに関して、子どもたちは有能であると私は考えるのです。