今から約30年前の私の論文で使った問題です。(西川純(1993.6):巨視的時間・空間に対する数操作方法の選択能力の研究、日本教科教育学会誌、16、日本教科教育学会、37-40)
この問題は、皆さんの理科の計算問題で数を扱う感覚を調査する問題です。各問題の下に選択肢が用意されています。正解はその中に必ず含まれています。答として最も適当な数値を丸で囲んで下さい。ただし、筆算はせずに暗算で答えて下さい。
人類出現は今から約150万年前で、恐竜の出現は今から約2億年前だとされています。恐竜は人類出現の何年前に出現したのでしょうか。
約20億年前 約2億150万年前 約2億年前
約1億9850万年前 約1億7000万年前 約1億年前
皆さんの答えは何ですか?
おそらく、約1億9850万年前だと思います。
正解は2億年前です。
中生代は2億年前だとして、来年は2億1年前になりますか?中生代の2億年前とは誤差を含んだものであり、誤差なのです。この質問を全学共通科目でやるとほぼ引っかかります。調査した高校では偏差値の高い方が引っかかります。
大学の授業では以下のように語ります。
科学は数学が必要だ、でも、科学は数学と違って実態がある。アインシュタインも、相対性理論を数学で考えたのではないといっています。まあ、光速で走る電車を考える時点で天才ですが。でも、私も研究を考えるとき、常に、実態を思い浮かべます。何も考えずに計算する方が、今の教育ではよしとしています。でも、今後は違います。
以下の記事を読んで思い出しました。今の教育の呪縛は、子どもだけでなく大人を縛っているのです。
(子どもに船上に26匹の羊と10匹のヤギがいます。この時、船長は何歳でしょう?(https://kogusoku.com/archives/7713?fbclid=IwAR0f_JO9nKDVEzSMZGUSZ7Xcc7iCrIw2RHu7dlXGvkHakY_lg_kbz1Kdy5k)