■ [大事なこと]学級崩壊
思い出話です。我が父は空手、柔道、弓道等の武術が趣味で、空手ではかなりの高段者でした。小さい頃はバリバリのスパルタ教育です。ところが、中学校入学したら「純、これからは叩いて叱らない」と宣言しました。叱られると叩かれるというパブロフの条件付けが成されているので、言われたときはポカンとしました。
息子を育てると父の気持ちが分かります。小学校低学年あたりは、体で覚えさせた部分が多いように思います。しかし、中学年から徐々に説明の度合いが多くなりました。そして、高学年になってからはよほどのことが無ければ手は出ません。理由は納得させる方が有効だからです。そして手を出せば出すほど、納得させることが困難になるからです。これって子育てをした人だったら感覚で分かると思います。
学校現場では、高学年を担任する度に学級崩壊する小学校の先生がいます。人としては悪い人ではありません。むしろ、教育熱心な方です。そのような先生の中で、比較的多いのは低学年の担任が多い方のように思います。
おそらく低学年での指導の仕方を、そのまま高学年に適用してしまうことが原因に思うのです。高学年では納得させねばなりません。まどろっこしくてもです。そうでなければ子ども達は動きます。悪くすると反抗します。クラスの中で頭の良い子がいると、組織的に反抗します。それが学級崩壊です。
納得させる。これは「平和で民主的な国家及び社会の形成者」を育成するためには、絶対条件です。
教科学習だって同じです。とにかく一方的に説明し、板書し、それを写させることが「平和で民主的な国家及び社会の形成者」に繋がるとは思えません。どうして民主国家である日本では、啓蒙的絶対君主によってクラスが支配されているのでしょうか?それを合理化する論理は、欧米人がアフリカに入った当初の理屈と全く同じです。