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2013-03-07

[]親教育 05:44 親教育 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 親教育 - 西川純のメモ 親教育 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 私が定時制高校の教師だったとき、鬼畜のような保護者(?)がいました。当時はバリバリの従来型教師だった私でも、子どもには何かは出来ます。しかし、保護者には何も出来ません。出口の無い脱力感に襲われました。

 おそらく、『学び合い』でも保護者は何とか出来ません。

 が、それを解決する道が今はハッキリ分かります。それは保護者の『学び合い』です。保護者を学び合う集団にするのです。と、私が書くと、「あの保護者は無理」と思う方も少なくないでしょう。でもそれは『学び合い』を始める際に、「あの子は無理」と思うのと全く同じです。無理な人を思い浮かべるのでは無く、出来る人を思い浮かべて下さい。必ず2割はいるはずです。その人をコアにするのです。

 さらに地域の人を巻き込み、学校を地域コミュニティの再生のコアにするのです。それが西川ゼミの現在の課題です。これが実現できれば、鬼畜のような保護者もなんとかできるかもしれません。喜んで鬼畜になる人はいません。そして、保護者をマシにすれば、その子どもが鬼畜のような保護者になる危険性を絶つことが出来る。

 どうやってやるか、それは「ちゃぶ台作戦」です。

 『学び合い』の授業をどんどん保護者に公開するのです。意識の高い保護者が必ず来ます。おそらく教室の後ろで呆然とするはずです。その時、「どうぞ近づいて○○さんのがんばりを見て下さい」と促します。そうすれば我が子の近くに行き、まじめに学習していることが分かります。しばらくすると、あっちに行ってよ、と子どもは言うでしょう。そうしたら、事前に用意している教室の後ろのテーブルに引き寄せるのです。そして、お茶とお菓子を振る舞いながら、その子の頑張りを話して雑談するのです。そして、「毎週、○曜日の○時間目はこのような授業をしています。是非、お知り合いの保護者を誘って下さい」とすれば、必ずママ友を数人集めてくれます。そうなったら、教師は殆ど話す必要は無いと思います。お茶を給仕し、話の合間合間に雑談をすれば良いのです。そんなこんなで2割のコアを固めます。そして、保護者集団を形成する意義を喋れば、その2割が6割の保護者を引き寄せ、8割が問題の2割の保護者を何とかします。『学び合い』のセオリー通りのことが起こります。さらに保護者だけでは無く、地域のジジババを巻き込むのです。

 ドラッカーは学校のような非営利団体の成功のポイントは、サポーターをどのように引き込むかであると看破しています。来週出版される『学び合い』ジャンプで書いた、異学年、合同『学び合い』の次は、そこが我々のターゲットです。