お問い合わせ  お問い合わせがありましたら、内容を明記し電子メールにてお問い合わせ下さい。メールアドレスは、junとiamjun.comを「@」で繋げて下さい(スパムメール対策です)。もし、送れない場合はhttp://bit.ly/sAj4IIを参照下さい。             

2014-10-13

[]しあわせづくりフォーラム 21:30 しあわせづくりフォーラム - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - しあわせづくりフォーラム - 西川純のメモ しあわせづくりフォーラム - 西川純のメモ のブックマークコメント

 土日にしあわせづくりフォーラムに参加しました。赤坂真二さん、岩堀美雪さん、出口光さん、北村年子さん、岩本克之さん、そして私です。まあ、贅沢に集めたもんだと思います。主催者の北見さんをはじめとする人脈の広さを実感します。http://mori85.wix.com/shiawase2014

 この仕事はとにかく疲れました。こんな人使いの荒い仕事はありません。正直、2度は勘弁して欲しい。普通だったら1時間半の講演が終われば、あとはリラックスです。ところが、今回は最初から最後まで仕事があります。講師としての仕事が無い時間は、参加者の一人として参加します。本当に疲れました。

 が、その結果、外の仕事では得られないものを得ました。

 第一に、出口さんのワークショップに参加しました。私は自分が講演することはありますが、人の講演を聴くことは殆どありません。ところが今回は半強制的に聞くような状況になりました。きら星のような講師諸氏なのですが、とにかく私と一番違っている人と感じた出口さんの講演を聴きました。どこが違うかといえば、とにかく気品があるのです。あわてて補足しますが、他の講師の方々に気品が無いと言うことではありません。人生によって獲得した徳や気品は溢れていいます。ただ、出口さんの気品はそれだけではなく、生まれつきの気品なのです。どっかのお公家さんのような気品があるのです。これは努力して獲得できるものではありません。野人の私としては、興味がそそられます。また、キーワードの中に「志」という言葉があり、惹かれました。

 ワークショップは面白いのですが、わたしのような芸人のような笑いの取り方はしません。実に品があります。それを最初は分析していました。結論ですが、まねできないものです。次に人を四つに分類することなのですが、最初はただ笑いながら聞いていました。ただ、具体的に説明を伺うとフィットするのです。その理論的背景は分からないですが、非常に興味深いです。

 ちなみに私は「智」だとそうです。基本的に、マイペースでやるのが好きで、人との交渉ごとはそれほど好きでありません。直前に私の暑苦しい講演を聴いた方は、私を「愛」の人だと思っていたようです。しかし、出口さんの説明を聞けば聞くほど「智」だと思います。ただ、私は病的に「共感能力」が高いのです。そのために高校教師を挫折しました。「智」という私と「共感能力」を折り合いを付ける道として、「愛」や「勇」や「親」の人たちに「解決する」ということで私の代わりにやっていただこう、というのが私のやりかたのように思いました。

 講演の後、妻とのつきあい方にお知恵を頂きに出口さんに質問したところ、東京である定期的なセミナーを紹介されました。う~ん。私の行動規律の第一は、出張はしないということです。求められ、断り切れない時に出張するというのが私の出張のルールです。私個人の利害で出張するのはアウトです。だれかを派遣しようかなと思いました。でも、とにかく面白く啓発されました。

 さて、もう一方は、一般参加者の方々と、一般参加者として参加したことです。何が良かったかと言えば、暖かく迎入れて頂けたことです。ありがたかった。『学び合い』の会以外に参加すると、「化け物」みたいに見られることが多いのです。なにしろネットで検索頂ければ天下の大悪人みたいに書かれている私なのです。ごく普通の神経をしていて、人との関わりが面倒くさいと思っている私なのです。それが心地よかった。おそらく、周りの方がもの凄く気を遣って頂けたのだと思います。感謝です。

[]次元 21:30 次元 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 次元 - 西川純のメモ 次元 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 しあわせづくりフォーラムに参加した方から、「本を書く人は、自分のでなければならない、と言われる方が多いのに、先生は違いますね」と言われました。私は笑いながら、「でも、一人も見捨てない、は拘りますよ」と申しましたら、「それは分かっていますが、これでなければならないというものがあまり感じられません」と言われました。

 そりゃそうでしょうね。私のゼミ生は、私を天下の大悪人と分類している方の研修会に参加しています。そして、私はそれを奨励しています(ま、奨励する必要は無いですけど)。もちろん、敵情視察ではありません。その方や団体から学ぶべきことは多いからです。

 私にとって、私を天下の大悪人と分類している方や団体の拘っていることはどうでもいいことなのです。大抵は、良いことだな~っと思っています。だから、ゼミ生は参加します。では、私の拘っていることは何か?例えば、私の天下の大悪人と分類している方や団体がこれは大事だということがあったとします。『学び合い』では子どもたちは有能であると思います。だから、それを子どもたちに教師が読むような資料を全てオープンにして、「もっと凄いの開発して」と求めたら『学び合い』なのです。そして、それによって獲得できるものは教科の内容のみならず、それを通して一生涯に活かせる能力の獲得です。

 自分の大きさを証明するために自分が食ったものを言い合う大会がありました。ある人は「富士山を俺は食った」と言いました。それに対して「俺は日本を食った」と言えば、後者の人が勝ちです。しかし、その後に、「俺は地球を食った」と言えばその人が勝ちます。さて、優勝者は何を食ったのでしょうか?それは、「相手を食った」と言えば良いのです。例えば「俺は宇宙を食った」と言った人に対して、「そのお前を食った」と言うのです。

 『学び合い』はテクニックではなく、考え方です。次元が違います。そして、その考え方は「一人も見捨てない」なのです。「一人も見捨てない」を食える考え方があるでしょうか?ま、あったら、私は直ぐにそれを食います。あはははは

[]閉鎖の経緯 09:48 閉鎖の経緯 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 閉鎖の経緯 - 西川純のメモ 閉鎖の経緯 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 手引き書を閉鎖した経緯を、補足します。

 そもそも私はノウハウを伝えることを恐れていました。だから、2000年に「学び合う教室」を出版してから7年間は、ノウハウを伝えませんでした。私が一般に公開したのは学術データをもとに子どもの姿だけでした。メールで「具体的にどうやったら実践したら良いかを教えて欲しい」という問い合わせがありませんが公開しませんでした。何故なら、ノウハウを公開するとノウハウが一人歩きしてしまうからです。

 しかし、ノウハウがなくとも「子どもを信じる」という一点と、その時点で公開した子どもの姿だけでも実践できる人がいました。『学び合い』世代としては第一世代でしょう。この世代の人はイノベータの人です。つまり、アンテナが高い人です。そして、イノベータの特徴は失敗を厭わないことです。私の本を読み理論的に正しいと確信したならば、それを実践します。ノウハウを公開しなくても、トライアンドエラーでノウハウを自ら開発しました。というより、初期の『学び合い』は現場の学校で行われていることを整理し、純化したものです。ノウハウ自体は現場にありました。ただ、それを徹底することはなかったし、多くは部活や特別活動では使われていましたが、教科活動で使われることは少なかったものです。だから、「ああ、あれね」と分かる人はいました。しかし、イノベータは小数です。

 『学び合い』フォーラムを通しての活動、また、新聞にものるようになって『学び合い』の認知度が高まりました。その結果、アーリーアダプターの人が『学び合い』の実践者の中核を担うようになりました。イノベータの人は一匹狼の人が多いです。ところが、アーリーアダプターの人は研究主任など、周りの人に説明することを求められ、今までの説明することをしていた人です。

 『学び合い』の手引き書はその様な人のために書いたものです。手引き書を読んでいただけた方はお分かりだと思いますが、その中を占めるノウハウは極めて僅かです。多くを占めているのは3つの観の説明です。そして、対外的に質問されるであろう疑問と、それに対応する返答が占めています。それはその当時、私のところに来る質問は、「最初の声がけはどうしたらいいのか?」ではなく、「『学び合い』をすれば個性化に反するのではないか?」というような質問が多かったのです。明らかにアーリーアダプター的な質問です。

 次の変化は『学び合い』スタートブックです。あれが売れた。多くの教師の心のツボどころにスイッチが入ったのです。嬉しかった。しかし、同時に焦りました。あの本は、『学び合い』はいいよということは伝えられるのですが、具体的なノウハウが殆ど無いのです。

 私は教職大学院担当になりました。教職大学院では地元の学校に入り、年間を通してサポートし続けることが教育実習に位置づけられます。それまでの私は『学び合い』を学びたいと願っている人をサポートしているのですが、学校担任のサポートとなると、そうで無い人をサポートすることになります。その中には『学び合い』に反対する人も含まれています。その様なことを何校もやったのです。結果として、アーリーマジョリティがどのような情報を必要としているか、ラガートに対してどのように対処するべきかを学びました。その経験からいえば、『学び合い』の手引き書レベルの情報では、アーリーマジョリティの人が苦労することが目に見えています。

 そこで『学び合い』ステップアップを世に出しました。私としてはもっと早く出したかったのですが、出版社関係の諸般の事情で2年以上のタイムラグが生じました。胃が痛かったです。私としては「『学び合い』をやったが失敗した」と思う人が量産されるのが怖かったのです。

 ムーアーの理論によれば、アーリーアタプターが最優先するものは安定した成果です。そのために『学び合い』ステップアップを用意したのです。そして、ホールプロダクトとして合同『学び合い』を開発し、それを『学び合い』ジャップアップにまとめました。

 私としては一安心です。

 ところが『学び合い』ステップアップを読んだ人が上越に来て私と議論すると、「あ~、そういう意味だったんですね」といわれることが少なくないことに気づきました。分かってしまえば、『学び合い』ステップアップに書いてあることであると認めるのですが、表現の違いで分からないことが分かったのです。

 そこで、明治図書からの一連のシリーズの意味があります。そこでは同じ質問に対して、様々なバリエーションの説明を書いています。おそらく全部を読めば、その中にフィットする説明があると思います。

 私としては一安心です。

 が、最近、戦慄することがありました。イノベータと思われる人が同じ学校の若手教員に『学び合い』手引き書を渡し『学び合い』を紹介したそうです。その人と話したのですが、『学び合い』にトライしようとしていました。しかし、同時に不安もいっぱいです。結果として、足して二で割るような『学び合い』をしようとしていました。もの凄く授業能力のある人は足して二で割る『学び合い』を成功させることが出来ます。ところが、大多数の人は成功しません。そして、怖いことに、足して二で割る『学び合い』は一見、安全そうに見えるのです。

 そして、私は決意しました。手引き書を公開するメリットとデメリットを比べた時、『学び合い』がこれだけ広がっている今は、公開するデメリットの方が多いと判断したのです。イノベータの人にとってはステップアップはまどろっこしいかもしれません。しかし、その様な人はステップアップの中に忍ばした理論的なものを読み取れるでしょうし、そもそもの学術論文は公開しています。

 手引き書は完全な理論書として整理し直そうと思っています。

 ま、いずれにせよ、理論がしっかりしていれば口伝が一番です。『学び合い』の会が充実することが最大の解決策です。

[]言葉がけ 07:49 言葉がけ - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 言葉がけ - 西川純のメモ 言葉がけ - 西川純のメモ のブックマークコメント

 <会話形式でわかる『学び合い』テクニック> (THE教師力ハンドブック)の第2弾である、「気になる子への言葉がけ入門」が10月30日に発刊です。アマゾンにもアップしました(http://goo.gl/8l0m6t)。

 私が『学び合い』における言葉がけで聞かれることと、それに対する返答を会話形式でそのまま載せています。自信作です。なお、毎度のことですがアマゾンで注文すると手元に届くのは時間がかかると思います。というのは注文が集中して入荷待ちになるからです。ですので、いち早く読みたい方は近くの書店にご注文下さい。

[]閉鎖 07:40 閉鎖 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 閉鎖 - 西川純のメモ 閉鎖 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 『学び合い』の手引き書、及び同短縮版は2014年10月13日をもって閉鎖しました。理由はそれに代わる、もっと良い手引き書が公開されたからです。具体的には「『学び合い』ステップアップ」(学陽書房)があります。

 また、明治図書の<会話形式でわかる『学び合い』テクニック> (THE教師力ハンドブック)シリーズの、「クラスと学校が幸せになる『学び合い』入門」、「気になる子への言葉がけ入門」(2014年10月発刊)、「子ども達のことが奥の奥までわかる見取り入門」(2015年1月発刊)、「子どもが夢中になる課題づくり入門」及び「簡単で確実に伸びる学力向上テクニック入門」(2015年2月発刊)があります。

 『学び合い』の手引き書との違いは、『学び合い』を成立させるためのテクニックが豊富で具体的な点です。また、多くの人にとって『学び合い』をいきなり全部の時間で実践するのは不安です。また、周りの目も気になります。その結果、中途半端な『学び合い』を実践してしまう危険性があります。しかし、中途半端な『学び合い』を成功するにはもの凄い授業力が必要なのです。(また、手はクロールで、足は平泳ぎをしているようなものです)。そこで、以上の本では、『学び合い』の始め方として週に1度でいいからフルの『学び合い』をすることを提案し、その方法を示しています。また、周りの先生方との軋轢を避ける方法も提案しています。

 あなたが研究主任や校長先生で、学校での取り組みとして『学び合い』を取り入れたいと願っているとします。しかし、『学び合い』を研修のテーマにすることは絶対にしないで下さい。そうすればいらざる軋轢を生じます。では、どうするか?その方法のノウハウも整理して書いています。そして、『学び合い』ジャップアップ(学陽書房)に書きました。週1の全校『学び合い』を提案します。これは、多くの学校でも受け入れやすい研修のテーマで、全校の様々な考えを持った教員(その中には『学び合い』が大反対の教員)も受け入れられる研修となります。

 手引き書は2007年3月29日に「奥義書」という仰々しい名前(笑いを取りたかったのです)で公開し始めました。7年半断った今、その役割を終えたので公開を終了します。なお、手引き書にはノウハウ本という面のみならず、理論書の意味もあります。それに関しては、今後、整理し公開することを検討したいと思っております。

 長年のご愛顧感謝します。同時に、上記の本を読んで、その通りに最初はやって下さい。必ず成功します。逆に言うと、最初の段階で我流でやった場合、失敗する危険性が高まります。上記の本は数千人の人たちの実践における成功と失敗を整理してつくられたものです。あなたの悩みは、あなたが最初ではないし、最後でもありません。あなたの悩みは既に先人が経験し、それを乗り越えています。『学び合い』はもの凄くシンプルな原理原則で構築されているので、起こるようなことも非常に法則性が高いのです。安心して下さい!