■ [大事なこと]弱肉強食
私の務めた高校の職場はいい職場でした。教えた子どもは大変でしたが、のびのびとしていた。ところが、大学に異動したとたん状況は激変です。弱肉強食の時代です。ありとあらゆる、攻撃に耐えねばなりません。
高校の時、私が会議で発言したら、可愛がってくれた教頭が「君が発言しなくても、誰かが発言するから」と言われました。事実、そうでした。正しいことが、黙っていても通りました。ところが大学は違います。誤ったことでも、屁理屈はなんとでもつきます。そして黙っていれば、それがまかり通ってしまいます。4年間我慢しました。というか「こんなことが長く許されるわけは無い」と信じていました。しかし、戦わないとそれが許されるのが大学だと分かりました。それからは戦いです。情報戦であり、頭脳戦です。
それから二十年以上います。そして勝ち続いています。つまり、かなり悪い性格になってしまいました。もし私が大学で就職した最初の職場がホンワカした職場だったら私はどうなっていただろうか、と思います。
幸い、教職大学院という職場はホンワカした職場です。後ろからは絶対に弾は来ません。でも、ここで育った人が外の世界で戦えるだろうか、と思います。私より若い人には、外の世界と戦う場を与えねばならないと思います。私みたいに性格が悪くならない程度にね。