■ [う～ん]セオリー通り 
息子が定期テスト直前です。残念ながら息子の学校は『学び合い』ではありません。ごくごく普通の学校です。結果として、テスト対策は、塾・予備校そして保護者の担当です。私の持っている一斉指導のセオリーに基づく指導を行っています。が、当然のことながら、40歳の年齢差がある息子と私との相性は限界があります。
それでも何とかしたいので、研究室で私の仕事をしている脇で缶詰にしました。息子は頑張りました。が、集中力が切れたので自由時間を与えました。気がついたらゼミの学生さんを見つけ教えて貰っています。感謝です。『学び合い』のセオリー通りです。学生さんのアドバイスの方が息子は吸収します。そして、それ以上に一生懸命に教えてくれた学生さんに応えたいという気持ちが半端ではありません。セオリー通りですが、愕然とします。
私が教えても「あ～」と声を上げ、あくびをします。ところが学生さんのアドバイスは集中します。そして、家に帰ってからも、学生さんのアドバイスを無駄にしないように主体的にやっているのです。
あ～・・・。どうすれば良いか分かっているのです。が、一斉指導の中でしか息子を育てられない。とほほ
■ [大事なこと]原因 
『学び合い』はものすごくシンプルです。ハッキリ言えば、そこに過ちが入る余地は無いと思います。しかし、実践した方々から「これが無理」、「これには限界がある」等の話を聞きます。まあ、それを本当に解決したいと思う方以外の人には「そうですか」と曖昧に微笑みます。なぜなら、言っても分からないからです。
たいていの場合、何かの問題があったとき、その原因を「他」に求めます。『学び合い』の場合は、『学び合い』に原因を求めます。しかし、私の知る限り100%の原因は『学び合い』以外にあります。その方が、注意深く避けているところに原因があります。それは「自分」なのです。
たいていの失敗は、ステップアップに書いてあることをやっていないことに原因があります。そして、何故、それがやれていないかと言えば、『学び合い』の学校観、子供観が腑に落ちていないからです。問題を解決したいと思う人の場合は、その人の行動から腑に落ちていないことを証明します。この手の話を聞いた方の中には、「見てもいないクラスなのに、なんでそこまで分かるのですか」とびっくりされる方も少なくありません。理由は、『学び合い』はものすごくシンプルだからです。だから、何かが起これば、その原因が何であるかはシンプルに分かります。
電子メールでお悩み相談を私にした人だったらご経験があると思います。私は、「あなたのクラスの成績上位者6人程度の行動を詳しく書いてください」と聞いているはずです。私はその人のクラスにはいません、見てもいません。しかし、そのクラスのでずっといる子ども、それも成績上位者は教師をじっと見ています。そして、その教師の言動に基づいて行動します。一人だけならば、例外的な子どもの場合がありますが、6人ぐらいの行動を知れば、その教師の言動が手に取るように分かるのです。
『学び合い』はものすごくシンプルです。だから、教師の心が鏡のように子ども集団に写ります。それが嫌だと避ける人もいるでしょう。『学び合い』の不備だと思う人もいるでしょう。しかし、そこには成長が無い。子ども集団の姿を自分の心だと考える人が成長します。
自分の心の鏡であることはとても怖いことです。しかし、そうであるからこそ、本質的な解決が出来るとも言えるのです。
