■ [大事なこと]東京
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来年の上旬に筑波大学卒業生の高校管理職の前で話す機会を得ました。全身全霊で語りたい。こんなこと言うのはいけないのだろうが、日本中の中で東京の教育が変わることを切実に願っています。もっと言えば、八王子の教育が変わることを願っています。なぜなら、私が救えなかった教え子の子や孫がそこにいる可能性が高いからです。
■ [大事なこと]模擬授業
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私は模擬授業が大嫌いです。気持ちとしては「馬鹿にするな!」です。大学でも模擬授業コンテストがありますが、まあ、学生なのですから致し方ないと思います。でも、あれが授業力だと学生が誤解するのではないかとハラハラしています。
誰かの前で授業をする、それは教師の職能ではありません。あれはテレビ芸人のオーディションのようなものです。
また、教師相手の模擬授業、また、子ども相手の飛び込み授業、あれも教師の職能ではありません。まあ、上記よりは「まし」ですが。何がダメだと言えば、積み上げたものがないからです。
最初は見た目や面白さで子どもを引きつけることが出来ます。暴走族相手の授業では、これは必要です。なにしろ「聞いたふり」をしてくれませんから。しかし、賢い子だったら数日、どんなに遅くても3ヶ月以内に、子どもたちは見た目ではなく「人」を判断します。これこそが芸人ではなく教師の職能です。
まあ、芸人の職能もあった方がいい。でも、それは声の出し方、表情の作り方ぐらいだと思います。着ぐるみ、芸等を駆使し続けるにはもの凄くエネルギーが入りますし、生まれつきの才能が必要です。最低限の芸人の職能で最初の1ヶ月を過ごすうちに賢い子どもに「人」として認められることを私は薦めます。
「人」と言っても、滝に打たれろ、千日回峰行をしろというわけではありません。子ども達に認められる方針をぶらさずに持つことです。『学び合い』の場合は、「子ども達を信じ」、「子どもの生涯の視点で今を考える」という方針をぶらさないことだと思います。
先日、紹介した本には、最初の3ヶ月、1年、数年に分けて獲得すべき職能を説明しました。新人とは言えない方も、自らの職能を整理するには有効だと思います。
追伸 私の講演や飛び込み授業を見た方だったら、私が芸人の職能に長けていることが分かると思います。あれは暴走族相手に授業をしたときに強制的に獲得せざる得ないものです。たしかに今も便利なので使います。しかし、その限界も十分に分かっています。あんなことを1年間続けたら、一部の熱狂的なファンと蛇蝎のように嫌う人を生みます。そして大多数は飽きてしまいます。芸人と同じです。芸人の芸は旅館の料理と同じです。たまに食べるには美味しいけど、毎日だと飽きてしまい、気持ち悪くなる。毎日食べられる料理は家庭の料理です。