■ [大事なこと]連帯責任
ある学校でテストの結果で連帯責任をとらせたそうです。その結果、学力低位の子が虐めに遭い、退学に追い込まれたのです。当然の結果です。
『学び合い』でも「全員達成」を求めています。
似ているように見えますが、根本的な違いがあります。
色々な違いがありますが、分かりやすい違いがあります。
前者の場合は、達成しなかった場合にペナルティーを課します。『学び合い』はペナルティーを課しません。ただ、達成しないことの問題点を語ります。
何故、そのような違いがあるのでしょうか?
前者の場合は、達成しなかった場合のデメリットはクラスの大多数には無いと思っています。だから、ペナルティーを課します。一方、『学び合い』は達成しなかったクラスの大多数にデメリットがあると思っています。だから、ことさらペナルティーを課す必要はありません。既にペナルティーを君たちは受けているんだよと語るだけです。
■ [大事なこと]二分の一成人式
二分の一成人式に関して、一部の子どもの気持ちを考えないような方法で実施されています。私には、それで苦しむ子どもの顔がありありと見える。
私も定時制に勤めて、そんな子がいることを初めて知りました。確実に、私の小中高大の同級生の中にいたはずですが、それを意識することはなかったです。当人がそれを隠しているならば分かりません。隠し方の一つに、とてつもない問題を連発するという子の場合、「乱暴な子」、「駄目な子」という目立つラベルの中に隠れてしまいます。それは保護者も同じでしょう。そして、教師も同じでしょう。
教師になる人は、両親の夫婦仲も良く、我が子に愛を注いでいる人は「相対的」に多いと思います。私もそうです。だから、どの家庭もそんなもんだろうと疑いなく考えてしまいます。大学の教職関係を教える教師も同じです。つまり、何も知らずに教師になります。そして、そのような教師が多くを占める学校に勤めれば知る機会はありません。
でも、知らないこと、悪気がないことは、無罪ですか?
もちろん、違いますよね。
でも、私は無罪ですか?違います。何故なら、その事を知っていたのに、そのような問題があることを知りませんでした。同罪です。
でも、それ以外の人は無罪ですか?その事を知っており、そのような問題があることを知っているが、それを解決出来ないとしたら。
つまり、全員が有罪です。
ならば、何とかしましょう。何が出来るか、まずは、そのような問題があることを周りの先生に伝えましょう。
さて、次にどうするか?です。
二分の一成人式をやめることは下策です。十歳の節目に成人をイメージさせることはとても有益だと思います。
二分の一成人式の別な方法を考える。それは中策です。だって、「親への感謝の言葉」を聞きたがっている「保護者」が大多数だったら、「昨年までのがなんで廃止になるの?」と聞くでしょう。中には強硬な人もいます。それ以上に、教師の考えるどんな方法も、全ての子どもにフィットしません。それを一律に強いれば、苦しむ子は必ず生まれるのです。
『学び合い』の実践者だったら上策があります。それは「十歳の節目に、クラスの全員が自分自身の成人のイメージを持てる、クラス全員が楽しく成長できる二分の一成人式を考えなさい。さあ、どうぞ」が出来ます。
では、どうしますか?
さあ、どうぞ。あははははは
■ [ゼミ]大学院
FBを見ていると、本学教職大学院を修了した人が、大学4年間より濃い2年間だったと書いている人が多いですね。ま、当然だと思います。学費より遙かに多いものを得たと確信しています。
何故か?
大学学部の指導教官である石坂先生から「高校までは学ぶ気が無くても教えてもらえる。大学は学ぶ気がある人だけ教えてもらえる。大学院は学ぶ気がある人も教えてもらえない。」と教えてもらいました。その通りだと思います。
大学の学部の時は、授業は素っ気ないものでした。しかし、教えてもらいに行くと丁寧に教えてもらえました。解けない微分方程式を教えてもらうために生物専攻の学生である私が数学の先生の所に飛び込みに行ったときも、実に丁寧に教えてもらえました。
大学院では簡単に教えません。教えたら考えなくなるからです。大学院は考えることを学ぶところです。
学部の我がゼミ生が3人も大学院に進学します。甘えん坊です。ゼミ生に甘い私は甘やかしてしまいました。が、大学院に進学したら化けると思っています。
本学教職大学院は現職教員と一緒に学び、協働して発表しなければなりません。私に甘えられても、現職教員に甘えることはしないでしょう。そして、本学教職大学院の根幹は教育実習です。教育実習のみならず教育実習関連科目が非常に大きいのです。カリキュラムの半分はそれです。学生は現場に中長期に学びます。そこには実習校の教師がいます。子どもがいます。教師になろうとする彼らがそこで甘えることはしません。それは教育実習での彼らの姿を知っているからです。
さて、どう化けるか。彼らの大学4年間より十倍濃い2年間になると思っています。
追伸 博士の学生を育てるときは、本当に教えません。何故なら、一本立ちできる研究者を育てるのが博士ですから。私がすることは、今後の学会の流れを教えることです。そして、学術論文をどのようにまとめると学会に受理されるかのノウハウです。だから、私の教え子は業績を上げられます。