お問い合わせ  お問い合わせがありましたら、内容を明記し電子メールにてお問い合わせ下さい。メールアドレスは、junとiamjun.comを「@」で繋げて下さい(スパムメール対策です)。もし、送れない場合はhttp://bit.ly/sAj4IIを参照下さい。             

2018-12-22

[]破壊的イノベーション 07:24 破壊的イノベーション - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 破壊的イノベーション - 西川純のメモ 破壊的イノベーション - 西川純のメモ のブックマークコメント

 破壊的イノベーションで大事なことは、既存の人たちが大事にしていることを捨てることです。既存の人たちが大事だと思っていることを充実させることは持続的イノベーションです。

 大学で高木貞治の解析学概論。代数学講義を読んだとき、そこには四則演算が全くないことを知りました。計算ではなく、計算可能かを議論しているのです。それが数学です。数学的才能のある子が、それで身を立てようとするとき、その子は九九を覚える必要があるでしょうか?その子には興味が無い、漢詩を学ぶ必要性があるでしょうか?

 文部科学省、そして多くの教師は、学術的に明らかにされていない「基礎的・基本的学力」という幻影が実在すると想定し、最低学力を保証しようとしています。そうすれば才能ある子どもが数学を学ぶ時間を奪われるのです。

 破壊的イノベーションで大事なのは既存の人たちが後生大事にしているものは何かを見極め、それが本当に大事かを問い直すことです。

[]マスク 06:37 マスク - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - マスク - 西川純のメモ マスク - 西川純のメモ のブックマークコメント

 高校に講演したとき、「夏でも、体育祭でもマスクをつけたままの子どもが増えた」ということを聞きました。そのとき、思い出しました。

 ある中学校に定期的に授業参観しました。

 クラスの『学び合い』が成り立ち、特別支援学級の子どもも受け入れられるようになりました。その子どもは知的な障害です。教科の内容をやるには難しい。その子は絵が好きです。だから、クラスの子どもは英語の受験勉強をしている中で、その子は絵を描いています。

 最初いったとき、その子は仮面をつけていました。オペラ座の怪人のマスクみたいなものです。その子は自分の描いた絵を周りの子に見せて意見をもらっていました。しばらくすると、そのマスクはしていません。首から提げています。でも、時々、そのマスクをするようにしていました。しばらくすると、マスクはクビの後ろに下げています。そして一度もマスクをしませんでした。ある日、参観に行くと、マスクはありませんでした。

 そのとき、さっと教室の外に出て5分間ぐらい、嗚咽しながら泣きました。嬉しかったことと、その子が抱えていた苦しみの重さを思ったのです。この子のような苦しみを抱えている子どもが日本中にどれだけいて、それを解決出来ない私がいるのです。

 高校生のマスクは我が身を守る防具なのです。防具がいる状態なのです。マスクが必要ない学校生活を与えたい。