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2019-10-06

[]大河ドラマ 20:56 大河ドラマ - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 大河ドラマ - 西川純のメモ 大河ドラマ - 西川純のメモ のブックマークコメント

 大河ドラマの中で、本年は大当たりです。何がいいか?今までの大河ドラマの流れは、「最初は苦労する」、「苦労しながら乗り越えていく」、「乗り越えて絶頂に達成しても幸せでは無い」、「その中で幸せを獲得する」という単純な流れです。結果として、涙を流す場面は、はじめと終わりに集中します。が、今回の大河ドラマはこのサイクルが短い。だから、人のドラマを何度も感じられる。

[]ジョブ型大学 19:34 ジョブ型大学 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - ジョブ型大学 - 西川純のメモ ジョブ型大学 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 ジョブ型大学はミッションがはっきりしています。養成すべき対象がはっきりしています。医学部、歯学部、薬学部、そして教員養成系学部が代表学部です。

 ようは、どれだけ卒業生をその職業に就職したかポイントです。

 あたりまですよね。

 100人に一人、優れた医者を生み出す医学部と、100人のうち100人の凡庸な医者を生み出す医学部のどちらに国税を費やしますか?

 まあいいです。別な理屈を言うならば、二度と教員採用率のことを文部科学省が言わなければいいのです。

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/082/siryo/1420975.htm

[]政治 18:59 政治 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 政治 - 西川純のメモ 政治 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 1970年代にアメリカは膨大な予算を教育に費やしました。その結果、多くのカリキュラム改革が行われました。なぜそんなことが起こったのでしょうか?それはスプートニクショックです。ソ連が人工衛星をあげ、有人飛行をしたからです。これによって、いつソ連からミサイルが来るかもしれないと恐れたアメリカが国防教育法を成立させ、膨大な予算を教育に投資したのです。

 でも、ソ連が人工衛星や有人飛行をしたのはソ連の教育が勝ったからではありません。ドイツの優秀な科学者がベルリンにいて、その多くをソ連が確保したからです。教育の違いではないのです。

 ということはアメリカの科学者の中で欧米の実態を知った人は知っていました。が、それを自らの利害に引き寄せて政治をしたのです。曰く、ソ連の教育に負けない教育をしなければアメリカは滅びる、と。

 今の日本を同じことが起こっているように思います。

 技術の問題では無く、ビジョンの問題なのです。

[]イノベーション 18:41 イノベーション - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - イノベーション - 西川純のメモ イノベーション - 西川純のメモ のブックマークコメント

 最近のゼミで、ゼミ生から「イノベーションとは何か?」と聞かれました。(こんな質問をゼミでしてくるのが西川ゼミです)その学生は技術革新と考えていました。私は、ドラッカーの言葉を引用し、顧客の創造と応えました。

 多くの場合、技術の革新は顧客の創造を生み出しますが、技術革新は顧客の創造とはちがいます。例えば、半導体技術の進歩によって、パソコンが生まれました。パソコンはイノベーションではありません。パソコンによって個人というユーザーを生み出したことがイノベーションなのです。IBMの大型コンピュータの数々の「改良」によって既存のユーザーのニーズに応えました。しかし、そのような技術革新はイノベーションと違います。

 教育でも、その誤解が一般的です。教育での技術革新のほぼすべては改良であり、既存のユーザーのニーズに応えるものです。最も端的なのは電子黒板です。今、どうなりました。改良としても不十分です。ようは今のユーザーは教育委員会であり、教師なのです。

 顧客の創造として、最も有望なのは、子どもであり保護者なのです。

 教師が使い切れなければ動かないICTに未来は、「全く」ありません。だって、多くの教師はそれを使うつもりはありませんから。だって、みなさん、みなさんがiPhoneユーザーだったとき、教育委員会・校長からアンドロイドに変えることを求められて、変えますか?逆に言えば、アンドロイドユーザーに教育委員会・校長がiPhoneに変えることを求めて、変えますか?馬鹿げています。

 クリステンセンのいうように、いまのユーザーを何とかしようとする改革(実際は改良)は絶対に、絶対に、徒労です。しかし、それをクリアーしてもイノベーションではありません。

 今の教育の顧客でない子ども・保護者を顧客とすることがイノベーションです。例えば、住んでいる地域で学校を選べず、教師を選べない子ども・保護者が選べる広域通信制の教育は可能性があります。

 最先端のキラキラしたICTではなく、コモディティ化したスマホを使えばいいのです。

 私にとって自明なことが、なんで多くの人がわからないのか?と思いますが、理由は自明です。すべての子どもに「同じ」基礎学力を与えたいという、至極まっとうな願いなのです。ただ、「同じ」基礎学力の価値を考えていない。