私の大学院の指導教官は小林学先生です。東京都の高校教師を経て、東京都の指導主事、旧文部省の理科の教科調査官になった方です(その後、筑波大学の教授になられました)。小林先生からは文部省での行政の仕事の話をよく聞きました。印象深い話は多かったです。その中の一つです。
学習指導要領の中である実験をすることを書くためには、事前に全国の学校にその実験をするための機器がそろっていることを確認するのです。そして、それがそろっていなければ旧大蔵省に掛け合って、その予算を獲得するそうです。それが出来たとき、学習指導要領に、その文言が書き込まれるのです。
これを聞いて、本省の役人はそのレベルまでの責任を負っているのだと思いました。
凄いな~、と思いました。
萩生田文科大臣が感染者がいなくても休校処置をするように通達するとのことです(https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000177133.html?fbclid=IwAR0KtYjJvnJnxB6NgrmvpmeFRTjQSX_vgUNDoJ9NYubrZcP-EVQp5Qg-vTQ)。)
文科大臣は政治家です。そのような発言をされることは十分に理解できます。ただ、文部科学省の本省の役人の中で、これが実現したらどんなことが起こるのか、シミュレーションしたのだろうか?と思います。私が政治家にお仕えしているならば、もう少し考えると思います。つまり、休校処置をした後の運用に関してシミュレーションをして、大臣に伝えるだろうと思います。