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 土曜日に書いた、Theory of LoveというタイのBLに関する補足です。同級生で何事にもつるむ4人組の男子大学生がいます。その中に超遊び人の学生がいて、その人からの無神経でひどい要求を受けてもけなげにサポートし続ける学生がいます。その学生は実は3年間、思い続けているのです。しかし、それを告白すると友情が崩れてしまうことを恐れ胸に秘め続けるのです。

 しかし、それを察した友人から告白することを勧められ決意します。4人組は映画を作る仕事を一緒にします。そこでカンペを使った告白をしたのですが、遊び人の学生はそれを自分が軟派するときのテクニックをアドバイスされているのだと勘違いしてしまうのです。その後も思い続ける学生に対して無神経で酷いことをし続けます。

 あるとき、思い続ける学生の思いを知ります。それをきっかけで自分の中でその学生への思いがあることに気づきます。ちょうどその頃、思い続ける学生は「あきらめる」ことを決意します。ここからは思い、思われの立場が逆転するのです。

 いろいろなことがありますが、旧遊び人の学生に7つの課題がかされます。それを必死になって乗り越えます。最後の課題は「愛とは何か?」という課題です。

 みなさんは、この課題にどう答えますか?

 物事を定義するには、内包的定義と外延的定義の二つがあります。前者はそれらに共通する特徴を述べることであり、後者はそれらのリストを示す方法です。一般的には前者によって記述します。私が学生から「愛とは何か?」と問われると、「一緒にいると嬉しいのが恋、いないと辛いのは愛」と応えますが、これは内包的定義です。

 旧遊び人の学生は「愛とは何か?」を知ろうと、ありとあらゆる恋愛映画を何日も何日も、見続けます。殆ど病気になるレベルまで没頭したのです。

 クライマックスです。旧遊び人はカンペで告白したのです。それは以前、自分に告白したと同じ方法でした。彼は語ります。

 愛とは何かを知るために、ありとあらゆる恋愛映画を観た。どの映画を観ても、常におまえがいた。おまえが自分に対して3年間し続けたことが愛だ。

 と語ったのです。ここで涙腺決壊です(実は、これを書いている今も涙が流れています)。12話の過半数がけなげに献身する姿を描き続けた意図も分かります。それだからこそ、外延的定義がなりたつのです。そして、これがタイBLの名作として選ばれる理由も分かりました。

 こんな口説き方、男女ドラマでありましたか?友達同士の中で秘め続けた人だから出来る口説き方です。でも、長年連れ添った夫婦だったら言えますね。家内に対しては、言えます。

 タイのBLはLGBTのドラマとではなく、良質の恋愛ドラマ、青春ドラマだと思うのです。