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戦略

 今から約三十年前の頃の話です。その当時は理科コースに所属していました。教員養成系の理科コースなので、いろいろな仕事が理科教育に集中します。物理、化学、生物、地学の先生方は悪意はないのですが、手を出さないのに、口を出すのです。

 あるときお仕えした直属の上司である教授に「我々はもうこれ以上はできませんと断固として言うべきです」と直訴しました。しかし、いい人である教授は「西川君。でもね、理科教育が背負わなければ、このコースは動かなくなるよ」と諭すのです。私は「そんなことはありません、教科専門の先生の中にも優秀な方々もおられます。我々がやりすぎることは、その方々の邪魔をしていることになります。コースが動かなりそうになれば、変わります。コースが動いているうちは、変化は起こりません」と訴えました。そして、「我々はもうこれ以上はできません」と主張するようになりました。

 さすがに「理科教育に悪いな~」と思っている先生方が多いのですので、最終的にうけいれてもらえました。そして、今まで理科教育がやっていた仕事をする教科専門の先生方が増えるに従って、「理科教育対教科専門」という対立構造が、「学校現場に目を向ける教員と向けない教員」という対立構造に変質しました。

 この経験は今の私の考えに繋がっています。

 私が主張していることに対して、「そんなこと出来るわけない。だって、そうすれば学校教育はたちいかなくなる」と考える人がいます。でも、いままでのやり方では学校教育はたちいかなくなれば、いままでのやり方を変える人たちが増えるのです。その人たちが多くなれば、変えることがスタンダードになります。

 中高の教員が部活顧問を断るようになれば、学校がたちいかなくなると思っている人が大多数でしょう。でも、部活顧問を断る教員が一定数を超えたならば、部活顧問のあり方が変わります。

 私は何かを否定するとき、必ず、代案を提案します。ブラック勤務に関する本(https://amzn.to/3vGihFy )には、5年ぐらいでソフトランディングする具体的な方策を提案しました。お読みになった方に申します。あれに無理がありますか?ようは、やるか、やらないかなのです。そして、それを決めるのは、やらざるを得ない状況になるか、ならないかです。また学校改革の本(https://amzn.to/3wIoYId )をお読みになった方に申します。やれば、あれほどのことが出来ることは実証されています。

 個体群の中には常に変化を先導する個体が含まれています。それがなければ、個体群は緩慢に絶滅への道に至ります。少数の方でもいいです、まず、やりましょう。私もできるだけ皆さんを守る方策を探ります。

 皆さんを守ることは、皆さんの家族を守ることです。そして、皆さんの同僚、何よりも若い方々の未来を守ることです。現在、夫婦の3分の1は離婚するのです。そして、教師を守ることは子どもを守ることです。部活を守ることが子どもを守ることだと主張する方々がいます。私は主張します。家庭の安定を持てない教師が子どもを守れるわけない。我が子との時間を大事に出来ない人が、他人の子どもを大事に出来るわけない。