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味方

今から約三十年前の話です。その頃は理科コースの理科教育に所属していました。

コースにおける負担が理科教育に集中しているのです。仕方がありません、教員養成系なので学生・院生が集中します。カリキュラム上、教育関係の科目が多くなります。教科専門の先生方も関わるのですが、主体は理科教育というスタンスです。そうなると、私から見ると「やりもしないで、批判ばかり」となってしまいます。

 耐えられなかった助手の私は教授の先生方に「応分の負担を背負うことを教科専門の先生方に求めて下さい」と訴えました。ボス達は「しかたがないよ、理科教育が背負わなければならない」と言うのですが、「それでは変わりません。教科専門の方々にも背負ってもらうことによって、分かってもらえます」と訴えました。ボス達も納得し、それを主張しました。

 その結果分かったことがあります。教科専門の先生方の多くは「やらねば」と思っているのですが、「しゃしゃり出るのは迷惑だし、自信がない」と思っている人が多いことです。「やって下さい」と求めた結果、教科専門の武器でやり始める人たちが一部生まれました。そうなると、理科教育と教科専門という対立構造ではなく、教員養成系の教育に積極的に関わろうとする人と専門にとどまる人に分かれます。

 何かを主張すれば、味方と敵が分かります。その時、味方と相談し、敵をスルーすればいいのです。そのおかげで三十代で新コースを立ち上げ、四十代の初めに新専攻を立ち上げ、自分の居心地のいい世界を創り上げました。

 私は思います。

 『学び合い』の多くは実践者は、授業方法として『学び合い』を捉えています。でも、『学び合い』は生き方の戦略なのです。目の前にいる問題のある子に囚われず、集団に対して何をすべきかを私の本で繰り返し書いています。でもね、それって職員室でも同じですよ。

 大学教師は修羅場の世界です。白い巨塔の世界です。もちろん、それを意識しないで過ごす人も多いでしょう。でも、意識せざるを得ない状況があり、その場合は、勝ち組と負け組が生じ、それは小中高の世界とは別世界なのです。私は私の仲間に関して、いつのまにか勝ち組にすることに、エネルギーを費やしました。でも、私の退職後に、誰がするのかなと思います。ま、それは私の仕事ではありません。