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専門

 本日、8年前に修了したOBが突然現れました。色々話した後、私のお金の本(https://amzn.to/32FxI88 )を読んだかと聞きました。彼はついにこんな本を書くようになったか、と言っていました。

私は理解されません。

 私の専門は何でしょう?

 『学び合い』ですか?

 違います。

 私の公的な専門は「理科教育学」です。私の勤務校での登録はそうなっています。私は理科教育学における、最も多くの論文を書き、最も多くの理科教育関係の学会の賞をいただきました。だから、客観的には理科教育学が私の専門です。

 私は大学で理科コースに所属しました。物理、化学、生物、地学の専門の方々と一緒に働きましたが、中には露骨に軽蔑・攻撃をする人もいました。それ故、「理科教育学を物理・化学・生物・地学と同レベルの学術にしたい」が最初の私の野望です。そのため、必死に実証的データと論理で学術論文を書きまくりました。

 しかし、理科コースの中で理解してくれる人、応援してくれる人もいましたが、露骨に攻撃・軽蔑をする人もいます。なによりつらいのはゼミ生に対する攻撃です。それ故、教科横断的なコースを立ち上げて理科コースを出ました。その結果、理科を専門としない学生を指導することになりました。最初はドキドキでした。でも、教科内容ではなく子どもという視点ならば全く同じであることを確信しました。

 『学び合い』の基礎研究が成立したのはこの時期です。

 やがて、『学び合い』に関する研究を積み上げ、関連する教師用図書を書きまくりました。で、行き着くところまでいきました。

 最近は、何を書いているか?

 これからの社会で子どもが幸せになるにはどうしたらいいか?です。面白い授業、分かりやすい授業レベルだったら、すみませんが完成しています。少なくとも、若い教師レベルだったら、かなり「まし」になることは確実です。根拠俺ではなく膨大な学術データの裏打ちがあります。

 子どもが幸せになるためには経済的自立が必要です。それを成り立たせるためには教師が自立し、保護者に伝え、保護者から子どもに伝えるしかないのです。

 私の意味不明の行動は、子どもの一生涯の幸せを保障したいことが専門だと分かればナチュラルです。逆に言えば、このレベルの言説を語る教育研究者っていました。つまり、日々の実践と、これからの子どもの幸せを同時に、かつ、矛盾なく。