星新一の短編SF(「ようこそ地球さん」の中の「空への門」)にこんな話がありました。ある世界においては、宇宙飛行士はエリート中のエリートです。知的にも肉体的にも厳しい試験を通ったものだけが、それになるための大学の学科に入学することが出来ます。入学後も、誘惑に負けたものはどんどん脱落します。話の主人公は、その競争の中で勝ち抜いた人です。宇宙飛行士以外は意味ある職業とは認めず、知的にも肉体的にも劣っている人としか見ていません。彼の宇宙飛行士への熱意は固く、長い期間、誘惑にも負けず、全てを捧げ続けました。アカデミーの卒業時に、宇宙飛行士コースとは違う、工学関係のコースに進んだ知人が卒業発表をしているところに出くわしました。主人公は、宇宙飛行士になれない二流、三流の奴の発表だが、暇つぶしに聞こうかと思い、立ち寄りました。発表は最後のまとめにかかっていました。発表者は、次のように語り発表をまとめました。「以上のような考案に基づいて製作される宇宙船は、もう、いままでのように、特殊な能力を持った乗員を必要としません。どんな平凡な人でも、なんの不便も危険も感じることなく、操作運転できるのであります」。話は、それで終わっています。しかし、主人公は「俺は今まで何をやっていたんだろう」と思ったでしょう。
今、勝ち組のルールが変わっています。
弁護士、歯科医、会計士は一般サラリーマンレベルの収入です。AIが発達する時代において医者もそうでしょう。中央省庁のキャリア職員がどんどん退職しています。このあたりは「フラット化する社会(https://amzn.to/3LFHYOo)」読むべきです。
今の時代は、大当たりは分かりません。でも、大外れは分かります。そこに教員が子ども達を誘っているのです。