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手品のタネ

 

私のタイムラインに「教員養成学部の教員、約2割を現場経験者に 文科省が省令改正」(https://www.kyobun.co.jp/news/20230615_05/?fbclid=IwAR3NFVjgII1GWmLIknl9DMGg27pEdKAv9jwuSx1ksyrMLd0V7btrFrVsdXI )というニュースが流れました。なんか凄いことを文科省が打ち出した、と思ったからニュースに取り上げたのだと思います。しかし、私は白けます。

 まず、最初にお詫びします。私は省令改正の詳細は知りません。だから、以下で書いていることは誤りである可能性はあります。その場合はご容赦下さい。以下に書くことは、今まで私が直に関わった数多くの件から、予想されることを書きます。

 私が何故、白けたか。

 それは人事は直ぐには動かせないからです。労働諸法によってガッチガチに守られているのですから、専任教員の生くびを切ることは出来ないからです。ニュースの中にある「基幹教員」とは概ね専任教員と読み替え可能です。

 その上で上記を打ち出しているのだから、「あ~、つまり、既に多くの教員養成学部においては既に2割のラインを越えていることを確認しているんだな」と思いました。つまり、今の状態を文部科学省は自分たちの功績としたいのだろうな、と思います。

 しかし、ちょっと考えると、「現場経験者の先生はいたけど2割はいなかったよな」と思われた方も少なくないと思います。これには仕掛けがあります。文部科学省が何割の人数をいうことは、現在の専任教員の数の何割ではなく、大学の設置に必要な人数の何割なのです。分かりやすく説明すると、ある大学の専任教員が100人だとします。しかし、設置に必要な最低数は20人だとします。その場合必要な現場経験者は20人ではなく、4人なのです。修士課程が大綱化され、教職大学院化することによって、大学院成立のための最低人数はもの凄く減っています。おそらく律速は免許関連の必要人数でしょう。私立大学の教員数が少ないのは大学院を設置していないからです。あの程度の人数でいいのです。つまり、所帯の小さい私立大学は、数人の人事で対応できます。既に所帯の大きい国立大学関係は、今でも2割は楽々クリアーしています。

 さらに、実習担当としてセンターに配属されている、校長退職者などの特任教員を専任だといえる逃げ道を用意しているはずです。

 ま、私の予想が外れていることを願います。もし外れていたら、大学の所属する協会から、強い申し入れがあるはずです。