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子どもと教師の未来

 「教師のためのChatGPT入門(https://amzn.to/44OkJuW )」は一日で読めたのに、その事をメモるのに時間がかかったのは、改めに考えることがあったからです。

 利用してみて、そのなめらかな文章と内容の質の高さに驚きました。しかし、その次の瞬間に深く考え込みました。もし、教師が「思考力」、「判断力」を評価する問題を与え、AIが出した答えがAIの出した答えだと分からなければ、それは人間の「思考力」、「判断力」と同等なのです(チューリングテスト)。

 こりゃ、事務仕事をしている人の過半数の人はAIに取って代わられるな、と思いました。これからどんどん能力が高まるのです。そんなAIとの差を判断できないことを学校教育でやる必要があるのかと思います。そんなことを教えているならば、子ども達は非正規雇用に陥ります。

 じゃあ、AIが発達する時代に必要な能力とは何でしょうか?それはAIを徹底的にツールとして使うことによって見えてくると思います。おそらく、それは子ども一人一人違います。だから、AIを使わないという選択肢は無いと思います。必死に押しとどめようとしても、産業革命における機械打ち壊し運動と同じ末路になります。公立学校がもたもたしているうちに、広域通信制、フリースクール、私立学校はそれらを活用するところが出るでしょう。そうなれば、どんどん公立学校が捨てられるでしょう。

 教師も同じです。

 授業案の流れが作成できるのですから、早晩、授業で語ること、板書することも作成できるでしょう。アバターそれを表現できるようになるには5年はかからないでしょう。さて、そうなった時、教師の仕事は何でしょうか?

 私は人の道を語ることだと思います。禅には、不立文字(悟り自体を言葉にすることは出来ない)という考えがあります。意外かもしれませんが、私はAIをモデルとして理解しています。例えば、将棋のAIは無敵です。しかし、どうやって次の1手を導いたのかは言葉で表すことは出来ないのです。膨大なデーターが複雑に絡み合った結果として出た1手だからです。

 じゃあ、言葉の意味は無いのかといえば、言葉は大事です。材料が無ければ生み出せないですから。ただし、それだけでは駄目なのです。これを教化別伝と言います。

 じゃあ、どうやって学べば良いか、それが直指人心です。具体的には、悟りに至った人に直接関わることだと思います。

 人工知能は言葉を生成することは出来ます。しかし、生き方を伝えることは出来ません。何故なら、生きていないからです。生きている人は、様々な情報を発し続けています。言葉はもちろん、表情、そして様々な場面での言動です。それこそが教師に出来ることだと思います。『学び合い』の最終的には、そこに至るものだと確信しています。

追伸 こうなることは前々から分かっていました。ただ、これほどの完成度のサービスが無料で手軽に利用できる現実を突きつけられて、オロオロしました。ところが、おのが保身のための、AIを使うか使わないかのレベルでしか教育界は動いていないことに脱力します。