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次?

 今、アンテナの高い子ども・保護者は1条校を捨て始めています。その受け皿として不登校特例校があります。そして「特例」を外し、学びの多様化学校としました。つまり特例でない方向に舵を切ったのです。

 さて、今、学習指導要領のくびきから外れたとき、どのように教育すべきかを示す教育論があるでしょうか?板書もない、発問もない。教材研究もないのです。だって、誰に対する板書、発問、教材研究なのですか?本屋の教師用図書の棚に並ぶ本のほぼ100%、そして実践論の100%は個別最適化した教育に対応していません。これは私のSNSのタイムラインも似たような状況です。

 私の本の9割は『学び合い』の入門者向けの本です。しかし、授業論レベルの『学び合い』は1条校が学びの多様化学校に移行する段階までは対応できますが、本当に個別最適化した教育には対応できません。授業論レベルの『学び合い』では、学ぶ方法と進度は個別最適化できますが、学ぶ内容の個別最適化には対応できないのです。

 じゃあ、どうしたらいいか?それは、「今」の西川ゼミ(オンライン・オフライン)での学びだと思っています。その本を書くべきか悩みます。井伊直弼が絶大な権力を振るっていたとき、近代国家の本を書いても誰も読まないでしょうね。でも、桜田門外の変(1860年)と江戸城開城(1868年)まで8年しかたっていない。表だけしか見えていない圧倒的大多数には唐突に見えるでしょう。しかし、アヘン戦争(1839年)までには見える人には見えていました。N高等学校は2016年の設立ですが、21世紀のごくはじめから既にドロップアウトした子ども達対象ではなく、個別最適化した教育を求める子どもと保護者のための学校が設立し始めています。つまり、ハッキリとした動きは約二十年前に萌芽が見られているのです。

 自然科学や数学は、それが本質的に分かる人がごく少数でもいいのです。むしろ少数であればあるほど、オリジナリティが高い。しかし、社会科学はオリジナリティではなく、それによって動いた人の数で評価されます。私は『学び合い』を自然科学として理解し、行動しています。しかし、私は社会科学を専門としています。オリジナリティが高すぎるのは足かせになっています。困ったもんだ。