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教師の出来ること

 ゼミ生に語っていること。

 昔は経済的な「あたり」がありました。医者、弁護士等の「あたり」の職業がありました。また、銀行や証券会社のような「あたり」の業種がありました。しかし、歯科医と弁護士の収入は一般サラリーマン並になりました。理由は過剰養成です。今後、AI診断利用で一人の医師の診察効率が上がれば、勝ち組の医者と負け組の医者の二分化が起こり、後者の方が多いでしょう。「フラット化する世界」を読めば会計士も凋落することが分かります。銀行や証券会社の衰退は、ネット銀行・ネット証券を利用している人には自明だと思います。30年前に隆盛を極めた生産業の凋落は悲惨です。

 今後、さらに時代の変化が激しく、何が「あたり」かは分かりません。そして、一時的に「あたり」であっても、70歳まで働き続けるこれからの社会において、ずっと「あたり」とはいえません。

 現在の学歴社会は、上記の「あたり」があるという前提で組み立てられています。しかし、過去の学歴社会が成り立つのは、旧帝国大学・筑波広島・早稲田慶応・東京工業大学・一橋大学レベルの学年上位3割程度だと思います。理由は経済・産業界はかなり前から、総合職以外は非正規雇用にしようとしています。多くの人のサラリーマン生活の到達点である中間管理職は、AIに置き換わります。だから、上記の程度の人数で十分なのです。

 では、経済的な「あたり」はないのでしょうか?あります。それは「再現性のある投資を早く始める」に尽きます。ピケティの本も、その一言に尽きるように思っています。

 教師が子どもに幸せを与えられることが三つあります。それは教材研究や、教科の深い理解では永遠に到達できるものではありません。

 第一は、多様で多数の仲間です。これは『学び合い』実践者ならば自明ですよね。

 第二は、「再現性の高い投資を早く始める」ことです。おそらく、教員養成系大学・学部のゼミとしてはダントツで投資を始めているゼミ生の割合が多いと思います。18歳以下の子どもに対しても、自身の財産形成や投資の話を子どもにすることは有効です。そのためには、教師自身も「再現性の高い投資を早く始める」ことが必須なのです。私はそれを実践しているから、ゼミ生に伝わるのです。

 第三は、これからの社会のありようと、多様な進路選択を伝えることです。旧来の「中卒より高卒。高卒より大卒。同じ高卒・大卒なら偏差値が高い方がいい」という学歴モデルは崩壊したことを伝え、偏差値に縛られない進路選択が出来ることを伝えるのです。具体的には中途半端な非ジョブ型大学では無くジョブ型大学もしくは専門学校の方が危険性が低い。同様に中途半端な普通科高校より職業科高校を卒業して地元に就職する方が危険性が低い。中途半端な普通科高校に入学すれば、高校教師は旧来の学歴モデルに基づき、中途半端な非ジョブが他大学を薦めますから。

 私はゼミ生達には、激変する中ではとりあえずは公立学校教師になることを勧めます。しかし、同時に個別最適化した社会における非1条校も視野に置くことを語ります。同時に教育に関係した副業が教育公務員特例法に定められた教育公務員の権利であることも伝えます。

 このようなことを考えているので、教員養成系大学・学部の教師が書かないであろう本を書きまくっています。全ては子どものため、そして自分と家族のため。