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一生に学ぶ量

 最近、息子が伝わり立ちをし始めました。ちょっと前までは、寝返りも出来ずにいたのに。寝返りが出来ない時の姿を見ていたときは、自分でも寝返りを試し、何で俺は寝返りが出来るんだろうと首をひねりました。同時に、もしかしたらこの子は一生寝返りが出来ないのではと馬鹿なことを考えました。ところが、一度でも寝返りが出来ると、あっという間に寝返りがうまくなります。今では、着替える際に、寝返らないように押さえるのに一苦労です。

 立つとなると、寝返る以上に複雑です。ところが今では立っています。何で立てるようになったんだろう不思議です。現在は、「歩く」、「つかんで食べる」に悪戦苦闘しているところです。そう考えると、「箸を使って食べる」、「トイレを使う」などの複雑さは、気の遠くなるようです。でも、いつかは出来るようになるんでしょう。

 息子を見ていると、ごく普通の日常生活をするためには膨大な量を学ばなければならないことに気づきます。同時に、多くの人はごく自然にこなしていることに驚きます。私は高校の教師の時、数十人のオール1の生徒を教えたことがあります。でも、全員、箸を使って食べられましたし、トイレを使っていました。成績を決めている、知っている英単語の量、公式の数なんて、ごく普通の日常生活をするために必要な学ぶことに比べれば、本当に微々たるものです。

 もう一つ気づくことがあります。先に述べた、「寝返る」、「立つ」は誰かに教えられて学んだものでないことです。第一、教えようと思っても、どう教えたらいいのか私には見当が付きません。もしかしたら、生きるために本当に必要なことは、教えなくても、自ら学ぶ能力を動物は持っているのかもしれません。