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2001-04-03

[]事務官の人は凄い 22:35 事務官の人は凄い - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 事務官の人は凄い - 西川純のメモ 事務官の人は凄い - 西川純のメモ のブックマークコメント

 高校教師だったときの話です。職員室のお茶飲み場では、子どもたちに関するうわさ話でいっぱいです。私が「○○は授業中にこんなことをしたんだ」と話しますと、先輩教師から、「○○は昔はこうだったんだ」という話が出ます。また、以前の担任からは「○○の親と話したとき、こんなことを言われた」という話が出ます。さらに、その地元にすんでいる先生は、「実は、○○の親は、昔は△△で、これこれなんだよ」なんていう話もでます。そんなこんなで、○○のうわさ話で盛り上がります。

 ところが、大学教官になって、このてのうわさ話で盛り上がることは殆どありません。なによりも、学生の個人名を知らない先生が多いんです。なかには、2年間つきあった卒業研究の指導学生に、卒業時の謝恩会で「君の名前はなんだったけ?」と質問する猛者(もさ)もいるんです。

 教育実習の際に、各学校学生が配属されます。その「学生-配属校」の対応関係や、だれが配属校での実習長になるかなどを見ると、「学生のことを知っているな」と思います。でも、この配属は、事務の方が、「事務的」に処理されていると聞いています。

 私は全学必修の授業を担当している関係で、自コース外の学生さんとつきあうことが多いです。学生さんの中には、欠席が多く、単位を出せない学生さんもいます。その学生さんのことを聞く場合は、教官ではなく事務の方に聞きます。質問すると、たちどころに何県出身で、どんな学生さんであることを教えてくれます。私が、その学生さんはこうだったというエピソードを話しますと、その事務官からは、興味深いエピソードを教えてもらえます。そんな瞬間、高校の職員室でのお茶飲み場を思い出します。事務の人は偉いナーと感じる一方、何か変だナーと感じます。

[]お世話になっています 22:35 お世話になっています - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - お世話になっています - 西川純のメモ お世話になっています - 西川純のメモ のブックマークコメント

 高校教師だったとき、事務の方と給食の方には、本当にお世話になりました。事務の方には備品管理、通勤手当など、こまごまとした諸届けの方法を、根気よく教えてもらえました。定時制高校は夕食があります。夜の11時頃に帰宅するとき、事務室によると、給食の方がお弁当を預けてくれています。脂っこいものが好きな私は、カツが給食にでるとウキウキです。その顔をみた給食の方が、余ったカツや、その他の食材をタッパーに入れてくれます。その他、カレーシチューのような液体もの以外の時は、大抵の場合、タッパーに詰めてくれます。帰宅後は、それが私のつまみになります。

 新採用・若手教諭は5人ほどいましたが、お弁当をもらっていたのは私一人です。「給食室のアイドルだ!」と、教頭には自慢していました。実際は、食いしん坊に見えたのかもしれませんが。

 大学には給食はないので、高校のようなお土産はありません。しかし、いまでも事務の方にはお世話になります。会議で分からない法の規定など、直ぐに事務の方に質問します。とても面倒くさい内容だと思うのですが、懇切丁寧に説明してくれます。同じような質問を何度しても、いやがらず、その度に根気よく説明してくれます。そのような説明を聞くと、会議金科玉条のように語られ法の規定の、本当の意味がよく分かります。

 私としては、何で事務の方は、あれだけ懇切丁寧に、かつ根気よく教官に対応できるのか不思議でした。でも、このごろ分かりだしました。教官の方は、事務職員を利用しているように思っているのですが、本当は、事務職員の方は、わかりの悪い駄々っ子教官を、何とか調教しているのかもしれません。