■ [ゼミ]移動百態
宮崎の学会では、我々の研究室の発表は最終日の8月1日に集中しております。それに合わせて、昨日あたりに、この学会に参加する院生さんたちが全員集合しました。総勢14名です。
昨日のコンパでは、どうやって宮崎に移動したかに話が盛り上がりました。私は新幹線で東京に移動し、羽田から宮崎空港、空港から特急で会場の延岡市に移動しました。戸北先生も同経路です。時間的には最も楽な方法です。しかし、多くの院生さん達は予算の関係で飛行機は使いませんでした。
電車をお使いの方は、寝台列車を使いました。約半日かかりますが、大部分は寝ているので気にならないそうです。さらに、現在の寝台列車は、私の知っている蚕棚のようなものばかりではないそうです。カプセルホテルのような形式で、殆ど外の音が気にならない形式があるそうです。
車を利用した方も多かったです。現職院生さん同士で車に乗り、途中、健康ランドで泊まった方もおられます。話を伺うと、二十歳そこそこの学生さんの旅行のようです。また、家族旅行をかねて、途中2泊して、鳥取砂丘と秋芳洞をお子さんに見せた方もおられます。また、ご夫妻で移動され、途中、イノシシラーメンを食べられた方もおられました(そのラーメンに入っていたイノシシ肉のチャーシューには毛が生えてたと憤慨されていました)。車移動の方の中には、既に、次の学会がある広島までの経路の中で、どこを見物したらいいかという情報交換に余念がない方もおられます。まるで、修学旅行の自由行動時間のようです。
■ [う~ん]違和感
宮崎の延岡での学会が終わり、明日は次の学会がある広島に移動します。この3日間、学会に参加し、色々な発表を聞かせていただきました。感想として、どうしても違和感を感じてしまいます。
発表を聞くときは、「この研究のことを現場の先生方への話の種に使えないかな?」という視点で聞きます。しかし、どう考えてものってくれそうもない発表が少なくありません。例えば、○○(外人の名前を入れてください)によればとか、○○理論(なにか難しげな言葉を入れてください)によればと言われても、現場の先生方にはピンときません。そこで、それをうまく説明するなら、どう説明するかを考えます。しかし、現場の先生方の問題意識に関連した説明が出来ないんです。無理に関連づけても、現場の先生方からは「先生、そりゃ無理だよ」と言われそうです。
それでも、目的の段階は何とか説明できます。研究の方法のあたりになるとお手上げになります。調査研究においては、ある条件設定をします。再現性を実現するため、厳密な条件設定を行います。しかし、その条件設定が厳密なのは良いのですが、現場の状況から考えると、あまりにも特殊な条件設定になってしまいます。したがって、それらの結果を現場の先生に話しても、「そりゃ、そんな風にやれば、そうなるかもしれないけど、実際には出来ませんよ」と言われて、「ちょん」です。
実際、学会に参加された本学の院生さん(現職の小・中・高校の先生)の方々は、学問の厳粛さを感じて、それなりに喜んでくれます。しかし、自分の日々の実践に役立てようという気は有りません。似たようなものをあげれば、「ありがたーいお経を聞く」、「バカ高いオペラを聴く」ようなものです。感動は得られますが、あくまでも非日常なんです。
もちろん、そうじゃない発表も少なくありませんが、全体的にはそう感じられているようです。(と、いっている院生さんは言っていました)