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2003-09-12

[]つぶやく 10:15 つぶやく - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - つぶやく - 西川純のメモ つぶやく - 西川純のメモ のブックマークコメント

 我々は学習者は有能であり、学習者相互の学び合いによって解決し得る、と信じています。しかし、それでも誤った方向に進む可能性があります。その原因は、学習者集団に対して、教師が正しく目標を与えていないからです。つまり、教師の責任です。その場合、教師は再び、目標は何であるかを伝えなければなりません。一つの方法は、学習者集団を集め、熱く語るという方法があります。しかし、もう一つあります。それは「つぶやく」という方法です。つぶやくという方法は、教師が誰に向かって話すわけではなく、それでいて学習者集団全員に伝わるよう声を大きめに語るという方法です。

 我が全体ゼミの議論の質の高さに関して、かねがね私は誇っております。現在ゼミの議論の高さに不満はありません。しかし、我々が目指した最終段階に達していないように思います。せいぜい、学び合い研究を始めて当初に明らかになったレベルにとどまっているようです。異学年学習研究したKi閣下や、Koさん、Mさんの示す学習者の姿は、私の心に響き、ウルウルさせるものです。そして、昨年の全体ゼミは、その姿に極めて近い段階に達していたように思います。しかし、現在の姿は、その姿から離れているように思います。自らが積極的に学び合いに参加することは、自らの目標達成に役に立ち、かつ、自らが所属する集団の目標達成に役立つこと。そして、自らの集団を高めることが、自らを高めることであること。そのことは我々が一番分かっていると思っていました。

 なぜ、私の心に響かないのだろう?私の何が足りないのだろう?どうしたらいいのだろう?色々考えました。しかし、愚かな教師には思いつきません。そこで気づきました。方法は学習者が考えるもの。教師は目標を与え、評価するもの。それなら、「自らの集団を顧みて、自らの心に響く姿になって欲しい」という目標を与えることにしました。そして、「現状は私の心に響かない」という評価を与えることにしました。そして、それらを「つぶやく」ことにしました。