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2004-03-02

[]3月 16:52 3月 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 3月 - 西川純のメモ 3月 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 今年も3月になりました。この頃になると空気は春の香りをただよわせます。今年は小雪で、もう、何度もフキノトウが食卓に上ります。フキノトウを摘んだ後の手は、春の香りでいっぱいです。2月までは「来年度はまだまだ」という雰囲気ですが3月になれば、否応なく時間が迫っていることを感じます。卒業式・修了式まで二十日を切りました。本日、Kちゃんに投稿論文にOKを出しました。後は、彼女がお世話になった先生に報告を出すだけです。もう、私の手を放れています。もうすぐ、Mちゃん、Y、Hも完成するでしょう。ほっとするのと同時に、無性に寂しく感じます。今ごろは研修旅行に興じているOさん、Kさん、Iさんも、もう一度、確認をすれば完成です。

 例年であれば、毎年、俺はピーターパンだと思い,感傷にふける頃です。しかし、今回はそのような感傷にふける暇はありません。来年度は、国立大学に職を持つ者にとって100年に1度の激変期です。特に私にとっては、勝負の年です。その勝負は、もう今月にはゴングが鳴ります。勝算は十分にあります。でも、恐ろしい。試合前にあれこれ考えるより、打って出たい。しかし、あとほんの少しは静かにしていることにします。試合が始まれば、休む暇など、しばらくはありませんから。

[]上越教育大学 16:52 上越教育大学 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 上越教育大学 - 西川純のメモ 上越教育大学 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 私は上越教育大学に赴任して17年たちます。生まれてから大学に行くまで住んでいた東京にいた年数に迫るようになりました。上越の良さは、数え上げればキリがありません。とても良い土地です。でも、退官後も住みたいかと言えば、NOです。

 その理由は、第一に「雪」です。年齢を重ね、弱くなれば雪の処理はおっく~になります。60歳代で雪かきする元気があるか不安です。また、電車・地下鉄・バスなどの市内交通網が未発達である点です。車を使えば上越は便利な場所です。逆に言えば、車がなければ不便な土地です。老齢になれば電車・地下鉄・バスのお世話にならなければなりません。上越の地元の人にとっては、体の中にそれに耐えるものがあるのかもしれませんが、私は東京生まれの東京育ちです。ひ弱な私にそれが出来るか自信がありません。従って、老後は太平洋側(東日本)の県庁所在地(もしくは、その近郊)に住みたいと思います(家内は仙台生まれで、よく帰省しますが、とても良い土地です)。老齢になれば新たな土地になじむのは大変です。そうなると、老人になる前にうつった方がいいな、とも思います。しかし、基本的に他大学に行こうと考えたことはありません(特殊事情で1回だけの例外がありますが)。その理由は二つです。

 第一の理由は、上司にめちゃくちゃ恵まれているためです。信じられないほど恵まれています。第二の理由は、現職院生さんと共に研究するという現在の研究スタイルを維持発展できる大学は全国的にも3大学しかありません。そして、東日本にただ一つある大学が上越教育大学だからです。

 しかし、最大でもあと5年程度で、頼りにしている上司の先生が退職する年齢になってしまうからです。また、私は既に教授になりました。平均的教科教育研究者の5倍から10倍の数の研究業績があります。学生・修士院生の指導実績はありますし、5年以内に博士の指導実績も積み上げられるでしょう。そのため第一の理由は、最大でもあと5年程度で消失してしまいます。従って、私が上越教育大学に拘る理由は、現職院生さんと共に研究できるという1点のみとなります。現在、44歳です。65歳の定年であるならば、私の大学人生はあと21年間です。今月から始まる戦いは、私が上越教育大学にどれだけいるかを賭けた戦いです。もしかしたら私が大勝し、私及び家族が先に述べた上越の欠点を乗り越えて、65歳まで上越教育大学で奉職したいと願いたくなるような条件を獲得するかもしれません。しかし、それは強欲というものかも知れません。こう考えると、5年先を考えることさえ、不安に感じます。直前のメモに矛盾し、ちょっと弱気です。