■ [発見]ラベル 
小中学校の理科では、薬品の瓶の液体を注ぐ時、必ずラベルを手で握るように指示します。こうすると、注ぎ口に残った液体がたれても、ラベルがその液体で濡れるということはありません。何故なら、ラベルは手で握っているので上の方にあるからです。でも、子どもはあまり 守りません、実は先生も守らない場合が少なくありません。そのため、小中高の理科室に行くと、ラベルが薬品（塩酸や硫酸）で濡れたために、ラベルがボロボロになり判別出来ない瓶があります。
昨日、晩酌で家内のグラスにワインを注ぎました。その時、ラベルの方を手で握るように無意識にしている自分に気づきました。もちろん、ワインがラベルにたれたとしても、どうという問題はありません。なんか、馬鹿馬鹿しく思いました。
■ [ゼミ]スキー 
私の学部学生時代のことです。私の同級生の中で、留年や退学になった人が何人かいます。色々な理由がありますが、麻雀がその大きな理由です。麻雀は一人では出来ません。止めたいと思ったとしても、友人から面子が足りないと言われれば、断りづらいものです。ましては、心の中では「やりたい」と思うならば、ちょっとは躊躇 しますが、結局やります。あっという間に、半日、時には１日がそれで潰れます。それが連日となれば大変です。さらに、麻雀をやるための金を稼ぐためのバイトに励めば、大学に行く時間なんて無くなります。ところが、麻雀好きの学生が全員、留年・退学するかといえば、そうでもありません。留年・退学した学生は、「なんで俺だけが・・・、佐藤（以下、全ての苗字は仮名です）も、鈴木も麻雀をやってたのに、なんで・・」と思います。周りの友人の多くといっしょに麻雀をやっているのですから、自分だけが留年・退学するわけはない、とたかをくくているからこそ、安心して麻雀に時間を費やせます。では、留年・退学する学生と、そうならない学生の違いは何でしょう？
ある時、田中、佐藤、鈴木、吉田が麻雀で１日潰します。次の日、田中、佐藤、西川、宮田が麻雀で１日潰します。次の日、田中、三浦、亀井、小泉が麻雀で１日潰します。次の日は、田中、鈴木、吉田、太田が麻雀で１日潰します。以下、続きます。このとき、田中は、同級生の佐藤、鈴木、吉田、西川、宮田、三浦・・・・の同級生も、みんな自分と同じように麻雀で時間を潰していると思います。ところが、結局、留年・退学するのは田中だけなんです。
我々の研究室での研究成果（「学び合いの仕組みと不思議」に、その事例が載っています）が示すように、「みんなが」という情報によって、善悪、安全を判断します。しかし、個人のレベルで評価を受ける部分に関しては、自身で判断し評価しなければなりません。田中は、同級生の佐藤、鈴木、吉田、西川、宮田、三浦・・・・のせいだと思うでしょう。でも、本当は自分で判断すべきことを自分でやらなかっただけのことです。そして、 彼の麻雀仲間の佐藤、鈴木、吉田、西川、宮田、三浦・・・・、そして、その他の大多数の同級生は、それが出来るから留年・退学が続出しないんです。
この数日、雪が降っています。ところが午前中から晴れ渡り始めました。スキー場は最高のコンディションでしょう。楽しんで下さい。結果さえ出せればね。
