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2006-12-03

対策 17:20 対策 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 対策 - 西川純のメモ 対策 - 西川純のメモ のブックマークコメント


 怒ってばかりで、イジメ対策を書かないもの卑怯なので、私なりの対策を書きます。単純に考えると「学び合い学校に導入せよ」とでも書きそうですが、そうしません。それは我々の考えではありません。今回のいじめ対策もそうですが、一般的に教育行政は方法を厳しく縛る一方、評価はそれほど厳しくないという特徴があります。つまり「こ~しなさい、あ~しなさい」という一方、イジメが解決されなくても「まあ、しょうがないよね」という評価しかありません。ところが、その考えは全ての状況に最善の方法があると仮定しています。我々はそんなのあり得ないと考えます。 それを課している行政も、「最善といっても、そんなに劇的な変化は無いよな~」と思っているので、厳しい評価をしません。

 我々の問いは、「最善の方法は何か?」ではなく、「その状況において誰が最善の方法を考えられるか?」です。その答えは、「その状況の当事者」です。 だから、方法を細かく指定しません。一方、「その状況の当事者」が協働出来るならば、凄いことが出来ると信じ切っています。だから、厳しい評価をしても、それをクリアー出来ると信じています。従って、授業でも、このような課題でも、管理者のやるべきことは、目標を与え、それを納得させ、方法は自由にさせ、厳しく評価します。

 つまり、「イジメは様々な原因があり得るが、少なくとも学校・教師が対応すれば問題が生じる可能性は著しく減少することは絶対に出来る!」を納得させることです。そしていかなる場合においても結果責任はあるということを納得させます。その上で各自治体に対していじめ問題を解決することを求めます。方法は自治体に任せます。そして、大幅な裁量権と、予算的な措置を「ひも付き無し」で与えます。それでは自治体はどうすべきかは、同じ構造です。各学校に対して、上記のことを納得させ、方法を任せ、裁量権と予算を与えます。それでは校長はどうすべきか、は上記と同じ構造です。

 では評価はどうしたらいいか?自殺者の数では悲しいですよね。でも、どっかの学者やお役所のお偉いさんの評定では妥当性が問われます。少なくとも、妥当だとは当事者は納得しません。そんなもので評価されたることが分かっていれば、当事者目標の納得しません。だからといって教師のお手盛りでは駄目です。大多数の教師が駄目だといういう評価基準だとしても、それがまかり通ります。これは避難できません。だって、どんな組織にいる人だって、組織内部の人に著しく不利になる基準に賛成するのは辛いですよね。では誰が評価するのが妥当でしょうか?

 想像してください。マクドナルドマクドナルドの各店舗を評価する最も妥当性のある方法は何でしょう。東京本社の人が年に数回出向いて評価するべきでしょうか?それとも各店舗店長自己評価するべきでしょうか?馬鹿馬鹿しい。お客の評価がベストです。でも、お客の中で「お客様委員会」を立ち上げて評価すべきでしょうか?それまた馬鹿馬鹿しい。お客全員の評価の総和で評価である、売り上げで評価するのが最も妥当だと思います。ただし、短期ではなく長期的な評価です。何故なら、短期的ならばむちゃくちゃなことをする可能性がありますし、「食中毒」のような企業にダメージの大きな事故が生じる可能性があります。

追伸 言うまでもなく、そのようなことを求められたとき、圧倒的大多数の人が選択する方法が「協働」なんです。それはホモサピエンスDNAに組み込まれている方法なんですから。でも、どのような協働があるかは多様性があるし、少数ながら「協働」を選択しない人もいる。それもOKと考えるのは我々です。