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2007-06-04

[]休み時間を見て下さい 22:31 休み時間を見て下さい - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 休み時間を見て下さい - 西川純のメモ 休み時間を見て下さい - 西川純のメモ のブックマークコメント

 あるゼミ生が、ある先生と『学び合い』に関して話したそうです。それによれば、「小学校低学年は自己中心的である。だから、『学び合い』は不可能である。教師が子ども達を統制しなければならない。」と言われたそうです。そのゼミ生がなるほどと思っているようなので、この十年間でうんざりするほど何回も語ったことを再度語りました。ちなみに、一年生で『学び合い』を実践している同志います。その同志の方々によれば、一年生であることの違いは殆ど無いとのことです。強いて言えば、ごく初期の段階の「けんか」の扱いについて、注意するポイントがある程度だそうです。あわてて付け足しますが、テクニックレベルの問題ではなく、「考え方」のポイントです。さて、ゼミ生に語ったことは・・

 ゼミ生に、「そのクラス休み時間では、子ども達は自己中心的でバラバラだった?」と聞きました。ゼミ生はそれを否定していました。私の息子の幼稚園では、年中組ぐらいにはクラス全体でゴチャゴチャと遊んでいました。それが小学校低学年で出来ないとはとうてい思えません。さらに、「その」先生は力がある人のようです。クラスは良いクラスに育っているようです。そこで、ゼミ生に再度聞きました。「休み時間に子ども達が関わっているとき、色々な相談や交渉をしているはずだよ。我々の『学び合い』は、それを教科学習でやっているだけなんだ。だから、休み時間に出来るならば、『学び合い』は出来るはずだよ。そのクラスでドッチボールをするとき、先生がいちいち指示をした方が良いと思う?そして、ボールの投げる数を数えて、少ない子どもボールを渡すように指示を与えるべきだと思う?そして、そんなドッチボール面白いと思う?」と聞きました。

 このブログを読んでいる方の中には、『学び合い』が自分で出来るかどうか悩んでいる方もおられると思います。その目安をメモりたいと思います。既に6月です。明らかにクラスは、あなたの心を写しているはずです。担任しているクラスを思い出して下さい。以下の4つのうち、どれが最も近いでしょうか?

1) クラス全体での関わりは多い。固定的なグループというより、流動的なグループで集団が構成されている。男女の間も仲が良く、必要である場合、協働する場面が多い。仲間に入っていないと思われるような子はいない。

2) クラス全体での関わりは多い。固定的なグループというより、流動的なグループで集団が構成されている。男女の間も仲が良く、必要である場合、協働する場面が多い。しかし、仲間に入っていないと思われる子が数人いる。

3) 比較的固定的なグループを基本としている。しかし、そのグループが合体する場合もある。そして、どのグループにも固定的に属さず、どのグループにも属せる子どもがいる

4) 比較的固定的なグループによって構成され、相互の交流は殆ど無い。

 「1」の先生へ:あなたは一斉学習をしたとしても、「考え方」は我々の同志です。あなた自身が考えていることを教科学習で十全に行うには『学び合い』が最善です。10分程度、学校教育意味、そして教科を通して何を学ぶのかをちゃんと話せば、その日のうちに最高レベルの『学び合い』が成立します。

 「2」の先生へ:あなたは一斉学習をしたとしても、「考え方」は我々と極めて近い方です。「みんなで高まる」ということの意味を理解して、子どもに語れば、直ぐに1ヶ月ほどで質の高い『学び合い』に近づきます。ただし、子ども全員もれなく『学び合い』に参加するという最高レベルに達するには2ヶ月程度かかる可能性があります。諦めず、『学び合い』での子ども達の凄さを鑑賞して下さい。

 「3」の先生へ:目当てを明確に語り、方法を縛らなければ、遅くとも2~4週間で、『学び合い』の初期段階に達することが出来ます。この段階でも、多くの「グループ学習」のレベルを遙かに凌駕する成果を出すことが出来ます。早い方であれば、その人うちに『学び合い』の初期段階に達することが出来ます。2~4週間かかるのは、子どもが変わるための時間ではありません。あなたが変わるための時間です。

 「4」の先生へ:まず理解して欲しいのは、そのようなクラスにしているのは、あなたの「考え」からです。といっても、おそらく、ホームルームや様々な場面で、良きクラスを作ることに腐心していると思います。が、教科学習の時間はクラスづくりの時間ではなく、教科内容を学ぶ時間と割り切っているのではないでしょうか?しかし、その教科学習の時間こそがポイントです。学校教育の時間の殆どは教科学習の時間です。そこでのクラスの時間でクラス子どもが、他の子どもをどのように評価するかが決まります。『学び合い』では仲良くなる必要性はありません。重要なのは「バカにしない」ということです。バカにしなければ、例えうまが合わずとも、折り合いをつけながら協力することが出来ます。教科学習で「バカにする」、「バカにされる」ということの種を毎時間まいていたら、そりゃクラス関係が悪くなるのも当然です。このようなクラスで『学び合い』を成立させるには1~3に比べて格段に時間がかかります。しかし、今のクラスの状態が望ましいとは思っていませんよね。何とかしたいと思っておられるはずです。では、どうしたらいいか?既に書いたように、ホームルームの時間に「仲良くしよう」と言ってもしょうがありません。教科学習を変えねばなりません。もちろん、中学校高校の場合は教科担任制で、関われる時間は限られています。しかし、ご安心下さい。子ども達は教師によって、その振る舞いを劇変します。少なくともあなたが、あなたの教科指導において『学び合い』を行ったならば、あなたが管理者である時間は、望ましいクラスにすることが出来ます。時間はかかります。しかし、最大で数ヶ月レベルです。けっして1年間かかるわけではありません。今から始めれば、年度中に、素晴らしいクラスの姿に感激する時間を十分に得ることが出来ます。

ということで、全ての先生に『学び合い』を勧めます。今すぐに始めて下さい。サポートします。

[]7月後半から8月中旬の予定 13:29 7月後半から8月中旬の予定 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 7月後半から8月中旬の予定 - 西川純のメモ 7月後半から8月中旬の予定 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 私の予定を公開します。最新はhttp://calendar.yahoo.co.jp/jun1959914に公開しています。

7月26日(9:40-11:50) 平成19年度 東部上北小・中学校教科研修講演会

場所 青森県 六戸町文化ホール

8月1日 愛知県前泊 私と議論したい方、どうぞメール下さい。

8月2日 13時30分より 小牧市の教務主任・校務主任研修

夜は大阪に移動します。私と議論したい方、どうぞメール下さい。

8月3日 大阪博士課程会議 終了後直ちに鹿児島に移動します。

夜は鹿児島です。研究室みんなと飲みながら議論します。参加したい方、メール下さい。

8月4日 学校教育学会に参加し、愛知教育大学に移動します。夜は苅谷市で研究室みんなと飲みながら議論します。参加したい方、メール下さい。

8月5日 理科教育学会に参加して、兵庫教育大学に移動します。この夜は完全フリーです。徹底的に議論したい方、どうぞ。

8月6日 兵庫教育大学で集中講義をします。『学び合い』に至までの認知研究、そして、現在の最新成果まで、1日半かけて説明します。平常の講演会の5,6倍は語ります。偽学生希望される方はメール下さい。泊まったらいいホテル等をご紹介します。

8月7日 兵庫教育大学で集中講義をして、長野塩尻に移動。この夜は完全フリーです。徹底的に議論したい方、どうぞ。

8月8日 10時~12時 10年経験研修中学校高校

場所 長野県総合教育センター

8月9日 宮城県栗原市鶯沢小学校講演

8月10~11日 新潟県新潟市で『学び合いフォーラム

 全国の『学び合い』の同志各位が集まります。是非ご参加下さい。

 夏の計画を整理すると、毎年、思います。ハードだ・・・・