お問い合わせ  お問い合わせがありましたら、内容を明記し電子メールにてお問い合わせ下さい。メールアドレスは、junとiamjun.comを「@」で繋げて下さい(スパムメール対策です)。もし、送れない場合はhttp://bit.ly/sAj4IIを参照下さい。             

2007-07-14

[]アドバイス 18:10 アドバイス - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - アドバイス - 西川純のメモ アドバイス - 西川純のメモ のブックマークコメント

 『学びあい』を試み始めている人に、『気になる「あの子」は自分を変えることは出来ません。』とアドバイスをします。『学び合い』を試みて、だめだったと相談する人には、そのように語ります。

 考えてください。授業中に寝ている子ども勉強関係ない無駄話をしている子ども、その子どもはそれがいいことだと思っていると思います?そんなことはありません。出来れば、いい子になりたいと願っているんです。ところが、クラスにおいて、そのようなことが出来ない関係があります。私が教えた暴走族子どもも、暴走族が悪いことも、シンナーをやめたほういいことも百も承知です。教師が「悪いよ」と言って変わるなら、とっくのとうに変わっています。その子を変えることが出来る「としたら」、それは周りの子どもです。

 だから、「あの子」を忘れてください。そしてクラスを見てほしいと願います。そうすると『学び合い』を受け入れている子どもが見えるはずです。その子たちを集団として育てることが先決です。そこで、「みんな」を求めたとき、「あの子」を変えることをします。そして、「あの子」を変える過程で子ども集団が成長します。

 ちなみに、この話を説明する際、職員室でのたとえ話をよくします。学校で何らかの企画を通そうとするとき、大抵の先生は職員会議の前に、うるさ型の先生に説得にかかります。その先生の席の隣に座って長々と説明します。なぜなら、その先生が何とかできればうまくいくと思うからです。でも、うるさ型の先生はなかなか納得しません。そうなると、だんだんやる気を失ってしまいます。そして、「その先生」に対する軽蔑と怒りを感じます。

 しかし、私は学内政治でそのような戦略はとりません。だってエネルギー無駄ですから。私がエネルギーを費やすのは、私の意見を聞いてくれる先生、特に学内政治で発言力のある先生の説得です。その先生が納得してくれたら、私が説得できない「その先生」を説得してくれます。私には無理でも、その先生が話をすると、意外に簡単に「その先生」が納得してくれることって多いです。最悪でも、全体の大勢として合意が成り立てば、「その先生」が動かざるを得ません。動いているうちに、それが普通になってしまう。

 ね、こう言えば、思い当たるでしょ。私のアドバイスは、それをクラスにおいてしているだけのことです。簡単でしょ。