■ [ゼミ]無口な子
私は基本的に人と話すのが不得意です。ですので話したがりません。こんなこというと多くの人は、「うそ~」と言います。まあ、講演会や授業の様子から言えばそうでしょう。しかし、あれは落語の文楽と同じよう、練りに練った話なんですから。私は自分が話が下手だということを十分に理解しているので、それを補うために、徹底的に練習し、計画しております。一方、家では語らなくて良いので、殆ど語りません。家内や息子がしゃべっているのを、ニコニコして聞いているだけです。たまに、「ね~、学校であったこと話してよ」と家内から言われますが、そのたびに「何もないよ」とだけです。でも、何も話さなくても良い家が大好きです。でも、出張で一人になるのは嫌いです。誰かがしゃべっているそばでニコニコしているのが私は好きなのだと思います。本日は、Yと個人ゼミをしました。彼の研究テーマを話し合いました。彼にいっぱい夢を語りました。
今までの我々の研究では、会話分析が主です。クラスの圧倒的大多数は学び合うことによって、よくしゃべります。静かにしている子も、ぽつんとしている子も、本当はしゃべりたいので、『学び合い』の文化が成立するとしゃべりだします。ところが、少数ですが殆どしゃべらない子がいます。でも、だからといって、その子が嫌がっているかと言えば、そうは見えません。また、周りの子どもも、その子どもの存在を自然に受け止めています。まるで家での私のようなんです。
Yに語ったのは、そのような子が、そう見えるのは何故かを出せないだろうか、ということです。そんなことが分かれば、私のような子が、無理矢理、しゃべらなくても良いんだということが明らかになります。これは、いろいろな面で大事なことだと思います。私個人としても、本当に知りたい。でも、すごい難関があります。それは、その子はしゃべらないからです。従って、会話分析ではそれを明らかに出来ません。映像記録によって、様々なサインを見いだす必要があります。先行研究はあります。T研究室でのAさんのアイコンタクトの研究です。おそらく、アイコンタクト以外にも様々な非言語コミュニケーションがあるはずです。でも、こりゃ大変です。でも、すばらしいことが生まれます。ワクワクします。