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2008-02-05

[]よくある質問 22:16 よくある質問 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - よくある質問 - 西川純のメモ よくある質問 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 ある人が、「ダイエットをするには、毎日、適度の運動と、ご飯を食べ過ぎないことが大事だ」と言っているとします。しかし、サプリメントやキャベツダイエットが大流行の時代です。「運動しなくても、これを飲めば運動と同じ効果だと書いてあるサプリンメントを飲めば良いんだ」と言って、運動しない人が少なくありません。「私はキャベツをいっぱい食べているから、ステーキを食べても大丈夫だ」と言っている人が少なくありません。当然のことながら、全然やせません。「ダイエットをするには、毎日、適度の運動と、ご飯を食べ過ぎないことが大事だ」ということは、当たり前のことですが、それを実行し続けることは大変なのかもしれません。だから、多くの人はサプリメントやキャベツダイエットに走るのだと思います。その場合は、「ダイエットをするには、毎日、適度の運動と、ご飯を食べ過ぎないことが大事だ」ということはダイエットには効果がないのでしょうか?

 講演に行くと、「『学び合い』をやって失敗した事例は無いのでしょうか?」と聞かれます。私としては、「ありません」と即答します。でも、複雑です。現状の教育のと比べると、『学び合い』はとてつもなく異常に感じますが、実はごくごく当たり前にことを主張しているに過ぎません。そして、それをやれば確実に成功します。が、旧来の枠組みで合理化し、『学び合い』をしない場合があり、それによって成功しない場合が起こります。さて、その場合は、『学び合い』が失敗したと言うべきなのでしょうか?う~ん・・・・

[]幸せ 22:16 幸せ - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 幸せ - 西川純のメモ 幸せ - 西川純のメモ のブックマークコメント

 今日も晩酌しながら夕食をしました。息子が「僕は電車を運転して、作る人になりたいんだ。学校で言うときは、電車関係の仕事に就きたい、って言えばいいの?」と言いました。我々は「そうだよ」と応えました。「お父さん、お母さんは、僕の夢を応援してくれるの?」と言うので、我々は「もちろん」とにこっと笑いました。ふと思いました。今後全ての望みが叶わなくても、『学び合い』が広がらなくても、それでいい。ただ、明日も、明後日も、そしてずっと、ず~っと、今日のようなことが続きますようにと思いました。そうしていると、息子が食事中に急にお祈りをし始めました。「神様、仏様、ご先祖様。お父さんと、お母さんが、いつまでも長生きしてくれますように」と小さな声で言っていました。

 これがあるからこそ、より多くの人に『学び合い』を語れる勇気が出ます。

[]保護者よりコメント 12:52 保護者よりコメント - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 保護者よりコメント - 西川純のメモ 保護者よりコメント - 西川純のメモ のブックマークコメント

 保護者にコメントを公開して欲しい、と書いたとたんに、保護者の方よりコメントを頂きました。感謝です。そのかたより紹介して頂いた、HPに大村はま先生の「教育の効果というのは、何十年と先に花開くものですから、すぐに見えなくても焦らないことです。すぐ見えても有頂天にならないことです。自分だけで育てているのではありませんし、何かの加減でそういうふうになるのですから、よくても有頂天になってはだめですし、効果が見えないからといって、それが失敗とは決まっていません。ですから、よく考えて、自信を持ったことは、まっすぐに祈るような気持ちでやっていくのです。」 という言葉がありました。心に響きます。

 ただし、この言葉は「直ぐにも見える効果をあげた」大村先生の言葉だから説得力があるのです。もし、この言葉を学級崩壊を連続する教師が言ったとしたら、全く無視されます。

 クラスを、そして学校を本当によくするためには、保護者集団の協力が必要です。保護者の方々は、「毎日、ニコニコ学校に子どもが登校し、ニコニコ下校して欲しい」と願っています。それは『学び合い』で実現できます。同時に、学力を付けて欲しいと願っています。当然です。しかし、現在、最も普遍的に社会で認められている学力は業者テストの点数であり、進学率です。もちろん、それが全てではないこと、それは相対的に低レベルであることは人から講釈されなくとも分かっています。でも、そんな低レベルのことぐらいクリアーしなければ、その先のことを保護者の方々に語れません。

 もし、低レベルな学力だけを求めたとしたら、それは歪みを生じ、「毎日、ニコニコ学校に子どもが登校し、ニコニコ下校して欲しい」という保護者の方の希望に応えることは出来ません。そして、低レベルの学力の先にある学力の定着もおぼつかないでしょう。しかし、『学び合い』では、低レベルの学力の定着と、「毎日、ニコニコ学校に子どもが登校し、ニコニコ下校して欲しい」は矛盾せず、相乗効果を発揮します。そして、子どもはドンドン深い学力を獲得します。

 だから、まず、胸をはって低レベルの学力の向上をやりましょう!その上で、多くのことを保護者の方に語り、納得してもらいましょう。

 余裕が無くなれば、自分のことだけになるのは、神ならぬ我々はいずれもそうです。もちろん私もです。そうなれば、自分の子だけに目を向け、エゴが暴走します。しかし、まともなクラスが成立すれば、余裕が出来ます。そこで、教師一人が全ての子どもの保護者になれないことを語るべきです。もし、全員の保護者がそれを求めれば、結局、自分の子どもに歪みが生じることは、少なくない保護者は理解します。その保護者の方を通じて、健全な保護者集団を作ることが、子どもを守る術であることは理解して貰えるはずです。そのような保護者集団が、自分の手の届かないところに行った後の教え子を守ってくれます。

 これを読んでくれる保護者の方々にお願いです。『学び合い』の考え方に関しては、HP(http://wwww.iamjun.com/)に公開しております。また、多くの書籍を出しております。もし、可能ならばお読み下さい。私は『学び合い』の考え方は、絶対に正しいと信じています。しかし、その考えを実行する我々教師は、皆さんと同様に完全ではありません。迷いますし、揺らぎます。その結果として、もしかしたら、満足な成果を皆さんに与えられないかもしれません(すみません)。しかし、『学び合い』に向かっている教師は、今のままの横並びでOKなのにも関わらず、子どものために一歩も二歩も歩こうとする教師です。育てて下さい。我々は同志を求めています。