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2011-10-13

[]グランドデザイン 07:05 グランドデザイン - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - グランドデザイン - 西川純のメモ グランドデザイン - 西川純のメモ のブックマークコメント

 職業柄、色々な学校のグランドデザインを見ますが、しっくりしません。どこかで見たことがあるな、と思うのです。多くの学校で研究発表大会で研究主任が説明する「本校の研究仮説」の図と同じです。

 ○何でもかんでも関係ありそうな言葉がちりばめられている。

 ○それらの優先順序、もしくは因果関係が無い。

 ○とにかく全部を矢印で結んでいる。

 このような図は、全く意味をなしません。何故なら、その言葉の中で矛盾することがあります。「規律正しい」と「自律的」というのもそうです。何故なら、多くの教師の場合「規律正しく」とは教師の命令通りになるということです。結果として、自律的とは教師の命令通りに自律的になるという意味不明のことを求めてしまいます。また、優先順序が曖昧になります。結局、その場その場に応じて、管理職が都合の良い言葉を絵乱舞ことになります。

 私がもし『学び合い』で学校をつくるとしたら、そのグランドデザインは「一人も例外なく、多様な人と折り合いをつけて自らの課題を解決できる子どもにする」という言葉が図の真ん中に位置します。それだけでも良いと思います。しかし、もし地域連携とか保護者との連携とか学習指導とか・・・という言葉を位置づけるとしたら、矢印の方向は「一人も例外なく、多様な人と折り合いをつけて自らの課題を解決できる子どもにする」から他への一方向です。また、矢印も交差せず単純です。つまり、学校における様々な問題が起こったら「一人も例外なく、多様な人と折り合いをつけて自らの課題を解決できる子どもにする」という一つの基準に照らして判断します。

 グラインドデザインとは本来そういうものです。やりたいことの羅列ではなく、やりたいことを勧める上での基準であるべきだと思うのです。ま、世のしがらみで、そう書けないことはよく分かります。