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2011-10-14

[]西川ゼミ 05:50 西川ゼミ - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 西川ゼミ - 西川純のメモ 西川ゼミ - 西川純のメモ のブックマークコメント

 毎年のことながら、あるゼミ生が自分たちがどっぷりと『学び合い』の中にいることを気づいていないということを気づきました。もし、西川ゼミの運営を小中学校に置き換えるとどうなるかを書いてみました。

 まず、時間割はありません。子どもたちには教育基本法・学校教育法・指導要領の原文が与えられます。そして、それらを一人も例外なく達成することを求めます。子どもたちは教室にはあまりいません。ま、三分の二以上は、教室の外にいます。彼らは指導要領の定めることを一人も例外なく達成するため、図書館に行ったり、他の学年の人と話し合ったり、いや、他校の小中学校、いや高校に行っているのです。中には、学校の時間に塾に行っている子もいます。一人一人が使える有効なツールを選択し、活用します。部活等の課外活動はありません。その代わり、放課後も子どもたちはずっと自主的に勉強しています。時間の区切りは無く、休み時間はありません。休みたい人は一人一人休むのです。給食も、一定時間内ならば各自が食べたいときに食べるのです。従って、子どもたちの学ぶ時間は、各教科で規定される時間より遙かに上回ります。朝の会、終わりの会はありません。大事な情報はネット上のやりとりで共有します。意志決定と面と向かった情報共有は毎週1回のホームルームでやります。しかし、そこには教師は殆どいません。ホームルームの運営は、子どもたちが異学年で行っています。

 じゃあ教師は何をやっているか?順不同で書くと以下のようになります。

1) 様々な子どもたちの活動を実現するにはお金がいります。施設が入ります。それを獲得するための書類書きや交渉をします。

2) 様々な子どもたちの活動を実現するには、他の組織の協力が必要です。そのための調整や交渉をします。

3) 食事やお茶はいっしょにして馬鹿話をします。

4) 週に1度は面談を行い、相談を受けます。

 以上のことは、今まで教師がやっていたことをしなくてもいいのでやれるのです。最後に、

5) 集団が不健全になってきたら、分析し、謝り、仕切り直す。つまり説教します

 以上はビックリするような状況だと思います。現状に囚われず、教育法規を冷静に読めば、上記が法に触れることではないのです。つまり、出来ることです。では、西川ゼミと小中との決定的な違いは何か、選択の権利が子どもたちにあるかどうかです。もし、各ゼミへの配属が出席番号で配属されるものであるならば、私はゼミ生に対して「法で定められた範囲」の課題を与えるでしょう。しかし、希望によって所属するので、彼らには「自分の心に響き、多くの人の心に響く教育研究を通して、自らを高め、一人も見捨てない教育・社会を実現する」という課題、簡単に言えば、日本を変えろ、という課題を与えることが出来ます。ありがたいことです。

 今日明日、この数年のゼミ生(以下の「ゼミ」には趣旨に賛同する他のゼミ生も含まれます)、特に現ゼミ生の知恵とエネルギーの蓄積で創り上げた越後『学び合い』の会が開かれます。ゼミ生の前では常に「当然」という顔を保っていますが、冷静に考えればとてつもないことを彼らはやりとげています。楽しみです。

追伸 上記のように運営されているため、越後『学び合い』の会の詳細は私は知りません。が、さすがに二日前になっても私が何時にどこに行けばいいかぐらいは知らねばならないと思ったので、お願いして教えてもらいました。ちなみに、ゼミのコンパの連絡が私に「だけ」届いていなくて、コンパ係が「あ、先生に連絡していませんでした。すみません」ということは非常に良くあることです。これには困ります。