■ [大事なこと]理論

本日のゼミでゼミ生に語ったことです。
『学び合い』の方法論は授業レベルだったらほぼ完成されていると思っています。日本中のありとあらゆる教師の質問に対して、解決策を示すと同時に、その事例を語ることが出来ます。このレベルを実践するだけならば、多くの場合は理論は不要です。(ただし、うまくいかなくなったときに必要です。)
しかし、まだ完成されていません。
『学び合い』でまだ完成しきっていない部分は、人に伝えるという部分です。アーリーマジョリティにどのように伝えるべきか、それが完成されていません。もう一つは、地域コミュニティーをどのように再生するかです。この二つが完成すれば、私の念願である一人も見捨てられない教育・社会への道が確かになります。
これを実現するには、行き当たりばったりでは生み出せません。一定の理論が必要です。
おそらく、私の現役時代には無理ですが、その先があります。それは教育内容の再編です。この際にも学校観と子ども観が必要です。私にはハッキリと見えるのですが、多くの人には見えない。
理論が無くても技術は機能します。しかし、新たな技術は理論なしには生まれません。江戸時代では西洋医学と東洋医学を比べたとき、「治る」ということだったら東洋医学に軍配が上がるでしょう。しかし、それから短期間に西洋医学が成長しました。理由は実証的なデータに基づく比較的シンプルな理論があったためです。
「学歴の経済学」のように、教育村の外から教育を眺め、それを日々の実践につなげる本を書いてくれる人が必要です。
方法論ではなく、理論の構築を託せる人を求めています。
私の現役時代は、カウントダウンに入っていると認識しています。
従って、授業レベルの本を書いてくれる人がもっともっと必要です。
そうしたら高校教師時代のことを思い出して自責でうなされることが無くなります。