■ [大事なこと]メダル

オリンピックの熱も冷めたところで、ちょっと気になることがあるので書きます。専門家としてではなく、一市民として違和感を覚えたので書きます。
選手に公費が費やされ結果を出さないことを非難する人に対して「私たちには国から教育費が支払われる。結局のところ、教育した人が成熟し納税をすることで、国家が円滑に回っていく。当然それらはポートフォリオとして捉えられ、すごく優秀でMBAを取得したくさん納税してくれる人もいれば、生活が苦しく生活保護をもらう人もいる。」と為末さんは書かれているようです。(http://www.huffingtonpost.jp/2016/08/15/tamesue_n_11536166.html)
しかし、教育に対して国が予算を付けるのはリターンを期待してではなく、日本国憲法第26条に基づくものだと理解しています。その他、福祉等に税金が使われるのは基本的人権に基づくものだと理解しています。そのような公費はリターンがなくても、やらねばならない予算です。だから、それを理由にするのは論理のすり替えのように思います。
逆に為末さんの論理が正しいならば、世の中にある「税金の無駄遣い」と言われるものは全てOKになります。公費が投入されたならば、一定以上のリターンをする責任があると思います。
なお、教育で例を出した点に違和感を覚えましたが、その責任を個人に押しつけるのは私も反対です。だって、選手派遣を決めたのは当人では無く組織なのですから。おそらくアスリートだった為末さんは個人に対して責任を問う声に対して義憤を覚えたのだと推察します。その気持ちはよく分かります。
追伸 言うまでもないですが、教育に対して予算を付ける事に関してリターンは求めるべきでは無いです。しかし、その予算に見合った結果は求めるのは当然です。非効率な予算執行は非難されますものね。