私の最初の著作は学術論文です。書くのは大変そうですが、実は違います。一定の作法を守れば学術論文は書けます。ただし、この作法を教えてもらえない限り、無理です。だから、学校現場の人が大学人の指導なしに学術論文を書くことは、ほぼ不可能です。しかし、論文を多作している人の指導を受けると学術論文は書けます。
最初に書籍を書かねばならないとなったとき呆然としました。どう書けばいいのか分かりません。しかし、あるとき分かりました。学生さんに話すことを書けばいいことを。この方針は今も続きます。学生さんにせよ、教師にせよ、「聞く気のある人」には、座談の会話でいいのです。
今、時代を変えようとする本の原稿を書いています。時代を変えるには教師を変えるのではなく、子どもと保護者を変えたいのです。ただし、私の本は子ども・保護者が読まない棚にあります。ですので、私の本を読んだ教師が時代を変えようとする本にしたいのです。つまりターゲットが定まらない。でもね、意識高い教師にターゲットを定め、その人から保護者に伝えるというのが妥当な案かなと思っています。