絵に描いた餅だな。
今書いている本の一節です。
大学院を修了して就職したのは、学力的には最底辺の夜間定時制高校でした。高校入試の際、受験生の内申書を読みましたが、純粋無垢のオール1の子が一杯いました。生徒の中には暴走族及び暴走族OBがいっぱいいる学校です。その子達に私は物理を教えることになりました。当然のことながら授業として成り立ちません。あまりにひどいので、「物理は必修科目だよ。落とせば留年するんだよ」と言いました。その瞬間、私語の嵐だった教室が静まりかえりました。私は「クスリが効いた」と思いました。ところが子ども達が一斉にニマーっと笑顔になったのです。そして、一斉に「落とせ!、落とせ!」と手拍子をたたきながら「落とせ」コールを連呼したのです。私は何が起こったのか分かりませんでした。やがて分かりました。
私がどんなエビデンスを積み上げても、クラス全員を落とすことは出来ない。つまり、子ども達が一斉に反旗を翻せば私は確実に負けるのです。私は教師には権力があると思っていたし、だから私は教師に従いました。しかし、教師には何らの権力もないことを悟りました。
私は初任の段階でこれを知ったことを今では感謝しています。もし、教え子が脅しに屈するようなことがあれば、私はそれに頼る教師になったと思います。そして、それしか方法を知らない教師になったとき、「落とせ」コールが起こったら手も足も出ません。
これを知らずに、権力を振りかざす人がいます。校長の半数以上を処分できますか?
コメディーです。私だったら、5年後に厳格化することを語るでしょうね。
どうして、官僚が大臣を守れないのか?
前大臣を笑いものにしたのと同じように現大臣を笑いものにするのでしょう。