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2006-01-14

[]良い話し合いのイメージ 16:45 良い話し合いのイメージ - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 良い話し合いのイメージ - 西川純のメモ 良い話し合いのイメージ - 西川純のメモ のブックマークコメント


 昨日、Yuから良い話し合いは何か、という質問を受けました。未整理ですが、あるイメージ(もしくは仮説)を持っています。私自身の備忘のためメモります。

 第一に、ほぼ全員がローカル会話を活発に行っていることが兆候として現れます。全員がその話題に興味を持っているとき、パブリック会話のみでは覆いきれません。そこでローカル会話が起こります。第二に、ローカル会話からパブリック会話の移行スムーズです。それまでワイワイとローカル会話がなされていたのに、一つのパブリック会話が起こると、ほぼ全員がその会話に注目し、ローカル会話が消えます。これが起こるのは、個々のローカル会話の方向性が一致していることの証拠だと思います。自分たちのローカル会話とかけ離れたパブリック会話がなされても、ローカル会話は続きます。ところが、今、自分たちのローカル会話の「つぼ」となるようなことがパブリック会話でなされると、自然ローカル会話は中断し謹聴します。

 即ち、教室レベルの集団における良い会話とは、ローカル会話を使いながら全員が会話に参加しつつ、そのローカル会話の話題の方向性が一致し、ローカル会話の成果がパブリック会話に反映される、というものです。そして、それをなさしめているものは何か?私は、話題提供者が方向性一致し得るような話題を提供し、制御していることによると考えています。

 以上は、私のイメージ(もしくは仮説)ですが、おそらくメンバーICレコーダーを渡し記録すれば、それが明確になると考えています。この調査の対象になり得るだけの質の高い会話を実現している集団は、我々ぐらいじゃないかと不遜ながら思います。

追伸 言うまでもなく、話題提供者に原因の全てを背負わせるのは我々の考え方ではありません。結局は、その集団の教師(全体ゼミにおいては私)が、メンバーに共通の方向性を持たせているか否かだと思います。