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2013-05-09

[]辛い 21:55 辛い - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 辛い - 西川純のメモ 辛い - 西川純のメモ のブックマークコメント

 今日の学部生相手のゼミで語ったこと。

 教室で「分からない」、「出来ない」子がいたとして、それはそれでいい。教室で暴言、暴行を繰り返す子がいても、それはそれでいい。でも、「家に帰りたくない、学校にいたい」と子どもに言われたらどうします?授業レベルの教育では教え子は救えない。

[]額面通り 21:11 額面通り - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 額面通り - 西川純のメモ 額面通り - 西川純のメモ のブックマークコメント

 本日は西川研究室の新歓コンパです。

 最初の挨拶では、いつも通りに、我がゼミが日本を変えるゼミであることを喋り、乾杯です。

 そのあと、『学び合い』の古くからの同志(今年から西川ゼミに所属しました)が、ビックリしていました。私のブログや様々なところで、西川ゼミは完全『学び合い』で運営されており、日本を変えることを求めるゼミであることを繰り返し書いています。しかし、本当にそれを実践していることにビックリしていました。私は「へ?」と思いました。

 全国の同志の方々に申します。私が「である」もしくや[言いました]、「やりました」と書いていることは、レトリックではなく事実です。

 西川ゼミは、一人も見捨てない教育、社会を実現する研究室です。100歩下がっても、それをまじめに信じている指導教員の元で学びたいと願った人たちの集団です。

[]分からないことがない 05:59 分からないことがない - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 分からないことがない - 西川純のメモ 分からないことがない - 西川純のメモ のブックマークコメント

 コンピュータが開発されたとき、それまでの手回し計算機で慣れた科学者が、これで全ての科学の問題が解決出来ると宣ったのです。バカげた話です。ところが、今の私は教育に関係する全ての問題を解決出来る、という確信から離れられないのです。恐ろしいことです。少なくとも十数人以上の子どもに対してはオールマイティです。それは国語教育でも、理科教育でも、体育科教育でも、情報教育でも、特別支援教育でも、道徳教育でも、なんでも。

 そして、実際に実践し、セオリー通りのことが成り立つことを実証データで明らかにしています。

 理由は、一人の教師が背負うより、同僚や子ども達と一緒に解決した方が良いという至極単純な理由です。また、問題を起こしている子どもをなんとかするのではなく、教師の言うことに従う子どもを動かす方が良いという至極当たり前の理由です。

 『学び合い』を始めた当初は色々なことが謎でした。

 なぜ、小学校でも中学校でも、『学び合い』を成立させることが出来るのがおおよそ4週間なのか?授業数だったら小学校の方が多いのに・・・・

 学習の際、教師がグループを構成すべきか、否か

 『学び合い』に関して、年齢や教科によって違いがあるか

 現在は一斉指導がなぜ主流で、今、衰退するのはなぜか

 というような多くのことが分かりませんでした。今では、なんでそんな馬鹿馬鹿しいことを悩んでいたのか分からなくなってしまいました。

 また、ノウハウレベルでは

 出来ない子が一人になって、全員が集まって教えてしまい無駄になりそうなとき、どうしたらいいか

 高学年の子が教えるのに一生懸命になって、自分が出来ないことがおこったら、どうするか

 知的な障害を持つ子どもがいて、どうやっても全員達成出来ないため、クラスが暗くなったらどうするか

 等も、今ではノウハウとしては確立され、『学び合い』ステップアップにまとめました。

 ここに至って、多くの先生方が悩んでいること、その全ての解決策が分かると確信しました。その頃から、ゼミの学部生、学卒院生、現職院生や全国各地の先生からの質問に対して、即答できるようになりました。

 それ以降の私に残された疑問は

1) 安全に『学び合い』を教師が学ぶ方法は何か

2) 多くの先生が安心して『学び合い』を始め、定着する方法は何か

3) 目の前の子どもの一生涯の幸せを保証するにはどうしたら良いか

 の三つだけです。

 しかし、以上にも解答が出ました。5年前ぐらいに「1」は合同『学び合い』によって教師同士が学び合うべきであることが分かりました。「2」と「3」に関しては、この2、3年で分かりました。「2」に関しては、週に1時間で始めれば良いということです。多くの常識的な方の場合、そして、私も「従来指導型『学び合い』の手引き」では足して2で割る『学び合い』もありかなと思っていました。しかし、足して2で割る『学び合い』で成功することは、能力のある教師だけが出来るのです。週に1時間でも、純粋な『学び合い』をやることの方が、明らかに多くの先生には安全であるということが分かりました。上記の結果からクラスの『学び合い』より、合同『学び合い』の方が大事であることが分かりました。このあたりのノウハウは『学び合い』ジャンプアップに完結できました。そして、それを発展させた地域を巻き込んだ『学び合い』こそが、子どもの一生涯の幸せを保証する方法であることが分かりました。

 あとはこれをどう広げるかです。しかし、私には謎はありません。既にマジックが点灯した状態です。ようは優勝が決まるまで10試合なのか、5試合なのか、1試合なのかの違いしかないと感じています。

 この最初に書いた科学者と同じような、不遜でバカげた確信を持っています。困ったことです。私の知る限り、古今東西の教育研究者の中で、このような思いに囚われ、それを表明した人はないように思うのです。

追伸 私の研究室の今年、私の勤めている大学の将来、これは私にはどうしようない部分があります。マクロな問題解決より、ミクロな問題解決は難しいです。