■ [大事なこと]大人のルール
こころを初めて読んだのは高校生の時です。その時から、夏目漱石の「こころ」の以下の部分がとても気に掛かりました。
「とにかくあまり私を信用してはいけませんよ。今に後悔するから。そうして自分が欺あざむかれた返報に、残酷な復讐をするようになるものだから」
「そりゃどういう意味ですか」
「かつてはその人の膝ひざの前に跪ひざまずいたという記憶が、今度はその人の頭の上に足を載のせさせようとするのです。私は未来の侮辱を受けないために、今の尊敬を斥しりぞけたいと思うのです。私は今より一層淋さびしい未来の私を我慢する代りに、淋しい今の私を我慢したいのです。自由と独立と己おのれとに充みちた現代に生れた我々は、その犠牲としてみんなこの淋しみを味わわなくてはならないでしょう」
私はこういう覚悟をもっている先生に対して、いうべき言葉を知らなかった。
55歳になって、この言葉の意味がとてもよく分かる。
学生時代、指導教員をあしざまに言う人がいました。その人は、あしざまに言うことによって、指導教員より優位に立ったと思っているのでしょう。しかし、聞いている私は、問題の多いその指導教員より、さらに下位に立つ人としか見えませんでした。
過去にも一人だけ、そのような人がいました。ま、在学中から、変わった人であることは周りの人は知っていましたから。しかし、よくあるのが不誠実です。「おはよう」に対して「おはよう」と言う。自分の言ったことに責任を持つ。そんなことを守れない人がいます。その人と過ごした時間が長ければ長いほど、上記の言葉を思い出します。
事例としては少ない。おそらく、小中高の先生方よりは、もの凄く少ない。でも、少なくともその度に、教師としての賞味期限が切れていることを自覚します。そして、研究指導が無い、授業だけやっている職場の方が良いな、と思うのです。
ふと思い出し、それが何かを誰も分からないタイミングなので、ここに書きます。
あ、これを見ている人は違います。その人たちは不誠実なのですから。
■ [お誘い]東京の会、東信の会
2月15日に東京で『学び合い』の会が開かれます。
http://kokucheese.com/s/event/index/261440/
同日、長野県でも『学び合い』の会が開かれます。お誘いします。http://kokucheese.com/event/index/254442/
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