■ [大事なこと]処世術2

ちなみに、ゼミ生に仕事を断れない上司(長くつきあえない人)との対処法を聞かれました。私の返答は、徹底的に無能のふりをすることを薦めました。同時に、その人と同レベル以上の賢い人を見いだし、その人の仕事を受けることを進めました。集団の2割は無能ですが、それと同じだけの有能な2割はいます。視野を広げ、関わりを広げれば、必ずヒットします。
■ [大事なこと]処世術

年長のゼミ生・ゼミ卒業生修了生に話すことです。
年長になると、色々なところから仕事が来ます。当然、全部を受けられません。受けたならばパンクします。受けた仕事をパンクさせるのは不誠実です。不誠実な人は断るのが出来ずに受け入れ、そして期限ギリギリになって断りを入れます。それより不誠実だと、受けてから期限を守れない。もっと不誠実だと、受けて、期限を過ぎ、督促されて断る。こうなると多くの人に迷惑をかけます。だから、三十代(有能だったら二十代後半)から仕事を精選するのが誠実な生き方です。
では、どうするか?
仕事の内容で受けるか受けないかを決めるのではなく、誰からの仕事であるかで受けるか受けないかを決めることを薦めています。
長くつきあえる人は、必ず仕事の量と自分の能力を推し量って依頼します。そして、仮に質が低くても大丈夫なように考えます。そして、その仕事を達成することによって得られる依頼先のメリットを考えます。短期的には自分が損なことがあるかもしれません。しかし、長期的には帳尻あわせをしてくれます。何故なら、長くつきあえる人が、自分にとって多くのものを与えてくれる人だということを知っているからです。
逆に長くつきあない人は、舌先三寸で色々と言います。長期間で帳尻あわせをするように言いますが、それを実行はしません。だから、一回の中で帳尻あわせを出来ることを保証できるようにします。初回の方はそうすべきです。
では、どこで見分ければいいか。その人と長くつきあっている人がどれだけ多く、多様であるかを見ればいい。
だから年長のゼミ生に仕事を受けるか否かの相談を受けたときには、「誰からの仕事?」と聞きます。仕事の内容の詳細は聞きません。
実に単純な方法で私は生きています。その結果、非常に得な人生を長く生きています。
追伸 上記を徹底すると広がりはありません。そのため、全く見知らぬ人の場合、多少、要求水準を低めてつきあい始めることがあります。長くつきあえない人は、直ぐに馬脚を現します。一度、騙されたら二度とつきあいません。つきあいを再開するためには、自分が騙されたために生じたデメリットの数倍のメリットを提示しない限りしません。舌先三寸で生きている人は、そのスタンスを知れば、直ぐに退散します。舌先三寸で騙される人を探す方が費用対効果が高いですから。
追伸2 ちなみに以上の私の生き方を『学び合い』に反するとおっしゃる方がいます。『学び合い』をよくご存じない。『学び合い』は得を基本としています。徳は長く続きませんが、得は長く続きます。得の取引関係を整理したものが道徳です。
■ [大事なこと]生き残るもの

私が好きな言葉に以下のものがあります。
最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるのでもない。唯一生き残るのは変化できる者である(ダーウィンだと言われますが実は作者不明の名言)
組織が大きくなればなるほど変われなくなり、やがて淘汰される。これはクリステンセンの示すところです。受験界も同じです。今までの焼き直し、手直しで何とか乗り切ろうとしているのが現状です。それでは生き残れない。
でも、必ず生き残るところがあります。
私が受験生だった頃、Z会と言えば、「東京大学を受験するような賢い子どもが関係するところ」というイメージを持っていました。事実そうだったんだと思います。そんな私にとっては雲の上の所に「推薦文」を書くなんて、全く予想もしませんでした。
激変の中で、生き残って欲しいと願っています。
■ [大事なこと]イノベーション

クレイトン・クリステンセンの本を読むと、公立高校と一部私立の関係に読めてしょうがない。深い読み、深い社会認識、数理的理解という定義不可能な持続的イノベーションが100年以上続いている。それだけ続くと、枯渇して何も生みださない。ちょっと調べると数十年前に書かれたものと同じだったりして。
でも、最大の問題が、企業の場合は株主や顧客の持っている既存のニーズに対応しているのに、学校の場合は教師自身の既存のニーズに対応している。だから、100年以上持続的イノベーションが続いている。
でも、それは企業が教師のニーズを受け入れたから。でも、これからは違う。
国家自身のニーズに国家が対応していたソビエトが崩壊したのと同じ。
「公立学校が他と違うのは、法や規制のせいで事実上の独占状態になっており、そのために新しいビジネスモデルを持つ学校が新しい指標で競争することが、困難または不可能となっている点だ。社会は学校に既存組織の中で新しい改善の指標を追求することを要求してきた。既存組織は古い性能指標に沿って改善を進めるように設計されている。つまり公立学校は、航空機を飛行中に作り直すことを要求されているようなものだと言える。」(「教育×破壊的イノベーション」)
クリステンセンはコンピュータの導入でなしえようとしている。ま、常識的な考えだ。でも、コンピュータより有能で導入単価の安い「子ども」を活用すればいい。簡単だ。邪魔しなければいい。『学び合い』のアクティブ・ラーニングはそれが簡単に安全にできる。
■ [大事なこと]学生の年齢

日本人は学歴は生活保障の切符だと思っています。それは日本の景気が良くて終身雇用だったからで、全世界的には希な意識です。
日本以外の国は有期雇用が基本です。その中で自らの意志でキャリアアップして、生活を変えようとします。だから、日本では当たり前の18歳で大学に入学するというのは実は変なのです。https://gakumado.mynavi.jp/gmd/articles/541
社会に出て、キャリアアップのためには何が必要なのかを自覚し、入学する。当然、学生は学費分の教育を求めます。
残念ながら日本はその面の制度整備は十分にそろっているわけではありません。しかし、整備されている面もあります(http://manabiai.g.hatena.ne.jp/jun24kawa/20151224/1450918126)。私の研究室にもこの制度を活用して教職大学院に入学した学生がいます。今年、教員採用試験に合格しました。来年もこの制度を利用して入学する人がいます。
追伸 今の世の中、偏差値60の大学を卒業しても、ジョブ型能力を持っていない人は就職出来ない時代です。ということを中学・高校の先生方に知っていただき、進路指導を誤りなくして欲しいと願います。