■ [大事なこと]人の振り見て我が振り直せ
ミルグラム実験という有名な心理実験があります。それによれば我々は全員、そして、直ぐに残忍になれるのです。
■ [大事なこと]未来予測
最近、AI本を読みましたが、あまり役に立たない、細かすぎる、と書きました。私がイメージする未来社会を理解していただくために、ちょっと説明させてください。
AI本はAI研究を概観し、どこまで可能になるかを書いてあります。でも、細かすぎて、どうでもいいことのように思います。だって、AIがどんなことを出来るか、出来ないかを知らなくても、「今ある仕事が殆ど無くなる」ということさえ分かればいい。
これはAI本を読まなくても分かることです。例えば、AIを使わなくてもデータマイニングでかなりことが分かるようになっています。例えば、ボルドーワインが10年後にいくらになるかをAI無しでも分かるようになっています。例えば、「その数学が戦略を決める」を読むと面白いですよ。それに先進国の仕事はどんどん外注されることは「フラット化する世界」を読めば一目瞭然です。
この手の本を読んだ後に、AI本を読めば、「どうでもいいことを長々と書いているな」と感じてしまいます。
逆に、AI本にはあまり考慮されていないことがあります。それは多様化のことです。例えば、エンターテインメント系の仕事は残るなんて書いてある本もあります。私はそう思いません。何故ならば、我々の求めるエンターテーメントは多様化すると思うからです。例えば、地元に野球チームがない地域はキー局のある東京のチーム、即ち、巨人ファンになります。だって、テレビで放送するのは巨人戦ですから。ところが、今はインターネットで多様な試合を見ることが可能ですし、今後は、もっと多様化するでしょう。オリンピックの競技の中で、それで飯を食べられる人はどれだけいると思いますか?今後、多様化が進めば、今までは飯を食べていけた競技も、食べられなくなります。
AI時代だから今ある職業が無くなるのではなく、AI無しでも今ある職業は無くなり、AIはそのとどめを刺しているに過ぎません。
じゃあ、残る仕事は何でしょうか?
先に挙げた本を読めば、商品および情報は先進国では仕事にならないことが分かります。
商品は移動可能です。発展途上国で作れるものが輸入出来るので価格で負けます。今、会計は海外に外注されています。日本の税法に堪能な他国人に数値データを送ればいいのですから。だから、対面しなければ成り立ち得ないサービスが残ります。
AIはビックデータによって駆動します。(AI本の中でここだけは理解する必要はあると思います)だから、ビックデータになるようなデータを用いる職業は残りません。その中には医師も研究者も含まれます。残るのは、ごくごく一部です。
だから、残る仕事は、ビックデータにならない情報に基づく、対面しなければ成り立ち得ないサービスの提供です。私は、中長期のつきあいによってのみ収集できる個人データに基づくサービスの提供だと思っています。
そのようなデータを収集できる能力とは何でしょうか?人とのつきあい方です。
そして、ポイントはどこで顧客を獲得するかです。あなたが顧客を獲得しようとしても、その顧客と既に関係を結んでいる人がいたら勝負になりません。だって、長いつきあいであるかどうかが勝負の分かれ目なのですから。では、どうやって顧客を獲得するか?それは子どもの時から顧客を獲得するしかないのです。だから、学校生活が顧客獲得の場なのです。
このような仕事を考えるとき、ローカルとグローバルの違いを理解する必要があると思います。一般的には、地方と国・世界に分けられると思いますが、私は、顧客が特定され顧客限定のサービスの質で勝負するのがローカルで、顧客が特定されず価格や一般的なサービスで勝負するのがグローバルだと思います。このあたりは「なぜローカル経済から日本は甦るのか」をお読みください。
以上の3冊とホーガンの「断絶への航海」を読むと、私が何を考えているか分かると思います。
繰り返します。AIの登場が今の社会を変えるのではありません。AIが無くても今の社会は激変します。(我が国の場合、少子高齢化社会の影響も加わります)AIはとどめを刺すのです。