■ [大事なこと]多忙感
本日の現職者相手の講義で言ったこと、「私は多忙だが、多忙感はありません」。多忙と多忙感は別です。そして、多忙の解消法と多忙感の解消法を説明しました。後者の場合は、ほんの一部でも一緒にやってくれる人がいるかいないかで決まります。
■ [大事なこと]まずは知ること
「特別支援学級の子どものためのキャリア教育入門」(明治図書)の共著者の深山さんの文章をコピペします。
特別支援の子どもが60歳、70歳になったときの現実に向き合わなければならないのです。このような取材に基づいている本です。厳しいですが、分かった上で乗り越えなければならない。
でも、知っていただきたい。
非言語で身体が不自由ではない障害者の方々が暮らしておられる入所施設で60代の方々の取材をいたしました。その所長さんの話です。
「ここでは、重病になると病院へ移らなければなりません。治療はできないのです。病院で、お亡くなりになった後にこの施設では引き取って葬式をしております。なぜなら、保護者の方々は、もうこの世におられないかご高齢で何もできないからです。」
入所施設の様子では、2人部屋でした。
部屋で過ごさず、広い部屋や施設のお気に入りの場所で余暇をそれぞれ過ごしていました。所長さんの話では、もう面会に来る家族の方は減る一方。そして、障害者年金欲しさの保護者が多くやってくるのだとも。その方々のあまりの非情さ、無神経さに家族から戸籍を抜く法的措置もとっているなど。家族は全てが、温かいなんて幻想だと私は現実を知りました。
この所長さんの話も本に書いています。
家族の中で親亡き後も生きていけるというのは、相当難しいのが現実なのです。きょうだいが、面倒を見ることはほとんどないのです。親戚などは皆無です。金をむしり取るような家族が寄ってくるという現実に、私はその時完全に打ちのめされました。衝撃が大きすぎて、この話は研究室でも誰にも話せずに悶々と過ごしたことを覚えています。この衝撃を、乗り越えなければ取材は続けられなかった。人を信用できるかどうかというところまで考え、落ち込みました。赤の他人の職員が、家族同様に心の拠り所に入居者の方々はなっているわけですから。
障害がどのような状態であっても将来は、他人の中で生活することを想定しなければならないということを念頭におくこと。それが、保護者の方が進路を選択する道だと私は思っています。そして、教育者は『一生涯を生き抜く力』を育まなくてはならないでしょう。この2つが、揃わなくてもどちらかでもあれば、全ての子どもは生涯の幸せへの道を歩めると思います。どちらもないという現実が、一番怖い。皆さん、どうか現実を知ってください。
知った上で行動してください。
宜しくお願いします。』