大学学部はかなり遊び回っていました。4年になった時、はたと気づきました。入った当初は横一列だった同級生の中には生物学でひとかどの成果を上げている人もいます。一方、私には何もない。そこで一念発起して大学院に入りました。ところが生活は変わりません。夜に大学院の院生控え室に行きました。そこには研究している一人の先輩がいました。とてもカッコイイと思いました。その時から、自分の今まで大好きだったものを封印しました。そして、時間の全てを研究に集中しました。おかげで大学院在学中の業績で平均的な准教授レベルの業績を挙げました。
この生活パターンはそれ以降約40年間続いています。独身時代、結婚してから、子育て中という状況によって変化していますが、基本的に殆どの欲望を捨てました。最後に残したのは家族と一緒に食事をして寝るという喜びだけです。そしてカント的な時間通りの生活をしています。
最近の生活です。
5時20分に起床。身支度をして、朝一番のメールチェックです。6時10分から7時10分までウオーキング。着替えて、メールチェック（SNSの書き込みも含みます。以下も同様です）。7時40分に朝食。8時に出発です。8時15分に大学等着。11時まで頭を使う仕事をします。具体的には論文や著書の執筆、全国の『学び合い』実践者のお悩み相談です。11時から11時20分は研究室で家内の作ってくれた弁当を食べます。（以前だったらゼミ生達と食事をしていたのですが、この１年それができません。）11時20分にメールチェックして、11時30分に文書室に行って手紙をチェックします。11時40分から、事務的な書類や，学内容の文書作成をします。14時半頃に学生のいる部屋に行き馬鹿話をします。15時から午前中に作成した文章を読み直し推敲します。6時30分に大学を出発し6時45分に家に到着します。着替えて入浴します。7時10分ぐらいからメールチェック。8時から9時に晩酌。9時から10時半にメールチェック。10時半に就寝です。
以上をプラスマイナス5分以内の生活をずっと続けています。家族で旅行に行ったり、買い物する以外は、土日もこの生活パターンです。好きなSF、歴史小説の読書、映画、クラシック鑑賞は大学院に入学した22歳から基本的に断っています。例外は、出張の時の電車の中です。テレビも夕食の1時間以外見ません。つまり、家族との時間以外はマシーンになりきって、仕事をしつづけています。
以上のことを約40年続けていれば、かなりの運が転がり込みます。人から、なんであんなに論文や本を書けるのですか？と聞かれます。理由は簡単です。時間をかけているからです。
ところがこの2ヶ月ほど、このカント的な生活が大きく崩れています。理由はBL沼にはまってしまったからです。学生時代、オールナイト映画館も使いながら映画館のハシゴをして24時間以上、映画を見続けたことがありますが、土日はそれに近いです。もう、ヘトヘトなのです。でも、やっとBL沼から脱せると思います。色々な人に関わる仕事が滞っていますが、4月からは何とか復帰しそうです。
