お問い合わせ  お問い合わせがありましたら、内容を明記し電子メールにてお問い合わせ下さい。メールアドレスは、junとiamjun.comを「@」で繋げて下さい(スパムメール対策です)。もし、送れない場合はhttp://bit.ly/sAj4IIを参照下さい。             

一段上

 昨日あったオンラインゼミ(https://bit.ly/3lMsgHn)に参加できなかったオンラインゼミ生からメールで質問がありました。かなり勉強していて、かつ、いろいろと陣で考えている人だけが発する質問だったので、公開して、回答したいと思っています。

 その方の質問は以下の通りです。

 

質問は、会社の運営において

 

  終身雇用を保証しない

 

 『学び合い』の一人も見捨てない

 

どちらが強いのだろう ということです。

 

株価で判断しますと

 SP500は、成長し続けています。

 終身雇用を保証しないアメリカ式の方が、正解のような気がします。

 

一方で、「日本で一番大切にしたい会社」に登場する中小企業は

 終身雇用が主流です。どの会社も離職率の低さを誇りにしております。

 

 さて、みなさんは、私はどうこたえると予想できますか?

 私は終身雇用を保障しない企業「群」が一人も見捨てない社会を夢見ています。説明します。アメリカ企業が成長し続けているのは、終身雇用だけが理由ではありません。そもそも日本以外は終身雇用を保障していません。しかし、終身雇用を保障していない国々の中で成長し続けている国もいれば、長いトンネルの中をさ迷っている国もあります。アメリカが好調なのは、主に人口増加が要因だと思います。そして、民主国家だからだと思います。過去の事例で示されるように、専制国家・権威主義国家はどんなに発展しても年収1万ドルの壁を破ることはできませんから。ドラッカーやトッドが述べているように、その国のありようを定めている最大の要因は人口及びその変化だという指摘は、私は正鵠を得ていると思います。

 そのうえで終身雇用に関しては、異常だと思います。神武景気以来60年間の過半数好景気であったという、世界史でもまれな日本にして生まれたあだ花です。終身雇用は、再び景気が良くなった時に、即応できる人材の確保に意味がありました。ところが不景気が続く日本においては、企業の機動力を縛るデメリットが目立つようになりました。時代にそぐわない企業は退場し、人材等のリソースは成長する企業に注がれるべきです。

 じゃあ、失業者があふれる社会、どんどん見捨てられる社会のほうがいいのかと言われれば、もちろん、否です。どうしたらいいか?

 ある人が解雇されたとしても、すみやかに再雇用されるならば、問題はありません。即ち、企業が雇用を保障するのではなく、企業群が雇用を保障するのです。

 私はそれを中学校区を単位とした地域コミュニティを基盤にしたいと思います。中学校区にある企業群の経営者、社員が、義務教育での『学び合い』によって多様で多数のネットワークによって繋がっているならば、失業者がいても、速やかに再雇用するのです。マーク・グラノヴェッターの示すように、知人レベルの弱い紐帯が、最も強力なのです。

 つまり、「終身雇用を保証しない」と「『学び合い』の一人も見捨てない」は、一段高い視点に立てば、矛盾しないのです。

 いかがでしたか?予想できましたか?

 
 このレベルで、日々の教育実践を俯瞰出来る教育理論・実践論、『学び合い』以外にありますか?不遜ながら。