■ [大事なこと]ホモ・サピエンス

ニュースです。人類最速のウサイン・ボルトが100m走でチーターに負けました。ボルトが9秒台なのに対して、チーターは5秒台です。ボルトは大きくため息をつき。関係者は唖然です。元オリンピック金メダリストのカールルイスは「スタート以後の展開に唖然としています」とのコメントです。
これを読んで、どう思いますか。
馬鹿馬鹿しいですよね。
AIに囲碁が負けたことがニュースになっています。私にとっては、同じぐらい馬鹿馬鹿しい。
でも、他にも馬鹿馬鹿しいことがあります。ボルトが100m走で0.01秒早いかどうかでニュースになることです。どうでもいいじゃないですか?
自分にとって大事なことは何かを考えるべきです。
日本人にとって大事なことは何かを考えるべきです。
人類にとって大事なことは何かを考えるべきです。
そのためには幸せは何かを考えるべきだと思います。
世のお金持ちにとっては、一律の価値観が必要です。価値の源泉は希少性にあるからです。
しかし、普通の人が豊かになるためには、相対評価では無く、絶対評価での価値が大事なのです。煽られて、乗せられてはダメです。
どの野球チーム、サッカーチームが勝っても、負けてもいいじゃ無いですか。そんなことより、我が子の運動会の活躍に一喜一憂したい。
どのワイン、バックが高かろうといいじゃないですか。多くの人にはその差が分からない。少なくとも価格の差ほどにはわからない。
赤の他人の走っている姿に一喜一憂するより、我が子のなにげない仕草に喜びを感じたい。
■ [大事なこと]データの読み方

ある方より「アクティブ・ラーニングをやっている学校が75.5%もあるという結果(http://manabilab.jp/wp/wp-content/uploads/2016/02/Release_1216.pdf)は違和感があるが、西川先生はどう考えますか?」という質問を受けました。
そこで、この調査の手続きが書いてある文章を探してみました(http://manabilab.jp/wp/wp-content/uploads/2015/12/1streport.pdf#page=19)。その結果分かったのは、この調査はアクティブ・ラーニングの調査ではなく、参加型学習の調査であることが分かりました。そして、その意味するところは、先の文章の4頁にあります。つまり、ディベート、話し合い(ディスカッション)、プレゼンテーション、ブレインストーミング、協調学習、学び合い、ふりかえり(リフレクション)、自己による学習評価、作文、課題解決型学習、ケーススタディ、探究・調べ学習、 プロジェクト型学習等々を全授業のうち一回でも実施したならば参加型学習やったことになるのです。そして、その判断基準は生徒の思考が活性化しているかいないかなのです。(まあ、意味合いは4頁をお読み下さい)
つまり、「高校での授業では生徒の思考プロセスが活性化している授業は皆無である」という前提に立つ人は『「アクティブラーニングに取り組んでいる教科がある」と答えた高校は実に75%に上り、多くの学校で取り組みが広がっていることがうかがえます。』という解釈をします。(文科省はアクティブ・ラーニングと表記しているのですが、中黒を消しています。意図的なものか否かは不明です)
ところが、私に質問した人は、「ディベート、話し合い(ディスカッション)、プレゼンテーション、ブレインストーミング、協調学習、学び合い、ふりかえり(リフレクション)、自己による学習評価、作文、課題解決型学習、ケーススタディ、探究・調べ学習、 プロジェクト型学習等々を全授業のうち一回でも実施」するぐらいは当たり前であると考えており、アクティブ・ラーニング云々を言うのであれば、それよりも先のことを言っているんだろうと考える人には75.5%は信じられないという解釈になります。
この種の誤解は、調査の手続きを調べないと分からないものです。
いずれにせよ、この調査は高校がどのレベルでアクティブ・ラーニングをとらえているかを明らかにする貴重な調査であることは確かです。
追伸 どうでもよいことですが、何の相関係数を使っているか明記されていませんが、おそらくピアソンの相関係数を使っているようです。しかし、スピアマンかケンドールを使うべきなのにな~と感じます。ま、ピアソンは使いやすいので、私も使う場合はあります。