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別姓

 基本的に私のゼミでも発言はYouTubeで公開されています。しかし、公開されることをためらわれる方もあります。でも、その人との対話の中で大事だと思うコンテンツがあります。その一つが最近あったので書きます。それは夫婦別姓の是非です。

 私は基本的方向性は賛成できるが、もう少し時間が必要なのでは、と応えました。説明をします。

 永続的な男女の関係は何故成立したか、それはホモサピエンスの生殖に関わります。

 生物の生存戦略の大前提を確認します。雄も雌も自分のDNAを、より強い異性に伝えるようにしています。いや、そうした個体が残り、そのDNAが残されています。ホモサピエンスは受胎し、妊娠し、出産し、子育てに、6、7年はかかります。もし、雄も雌もつがいになるのをやめれば子どもは死に、DNAは耐えます。だから、6、7年はつがい続ける個体と、そのDNAは刻みつけられています。

 しかし、その後のホモサピエンスは生き方を変えています。その中で婚姻制度を本能とは別に文化として形成していました。考えてもみて下さい。平安時代の貴族の通い婚、村の祭りのフリーセックスから脱して、現在の婚姻制度が確立したのは庶民に関しては元禄時代です。このレベルのことは本能ではなく社会制度の問題だと思います。

 さて、本題です。

 今、結婚しない、結婚できない人たちが増加します。そのときに、結婚することの意味を無くすことがメリットがあるかどうか、それが不安です。別姓レベルならば、選択肢の一つとしてOKにすべきだと思います。でも、夫婦という関係は「脆弱」であることを理解すべきです。それを壊したとき、それをフォローするネットワークがないならば、孤立老人、孤立子どもが生まれることを懸念します。

 つまり、夫婦別姓の前提となる社会制度があるのに、それを吟味せず、それを議論していることを懸念します。

 と言いました。

  1.  家内の名字はどうでもいい。家内の老後を守れる制度が大事。