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事を成す

 教員採用試験の勉強をしているゼミ生に毎年語ることです。

 凡人が事を成す方法は、時間をかけるしか無い。東京大学に入るような人は、効率的な勉強の方法は使える。しかし、我々凡人はそれを使えない。凡人は、集中力が落ちてもやり続けることが良い方法。そのためには、それ以外のことをやらないことが大事。時間は有限だから、より長い時間をかけるためには、それ以外のことを3つ以内限定し、それ以外を諦めること。もし、君にパートナーがいるのなら、それを第一優先しなさい。従って、それ以外は2つ以内。

 大学院時代は「呑み」を選び、それ以外を全て封印しました。その時代からカント的生活が始まりました。その当時の私の生活です。ほぼプラスマイナス20分で動いています。

 朝9時に二日酔い気味で起床します。30分以内に大学の大学院控え室に行く。そこから23時までは机にかじりついて、本・論文を読んだり、論文を書いたりしていました。例外は食事とトイレです。23時になると特定の飲み屋に仲間と行って1時(もしくは看板の2時)まで呑んで帰宅します。これがずっと続くのです。これは高校教師時代、大学教師時代も続きます。結婚してからは、「パートナー」、「子育て」が加わるので、13時間集中という訳にはいきませんが、それ以外は全て封印という生活は続く。

 そんなこと出来るのかと聞かれることはあるけど、「禁煙と同じ」と応えます。禁煙は最初は苦しい。しかし、1年も続けると辛くなくなるし、5年も続けると人のたばこのにおいにも冷静にいられる。そんなものです。しかし、一度、たばこを吸えば元の木阿弥です。だから、禁煙の苦しさを経験したくないので、禁煙後は遊びたばこもしない。だからカント的生活を約40年間続けている。

 徹底的にやれば自分が変わってくる。幼児用の絵本を読むと面白く感じることにビックリした。濃い味の食事が続けば薄味を感じられなかったんだろうな。大学院生であっても毎日13時間集中すれば、特定の分野の課題や解決策が見えてくる。そうすれば論文が書けるようになる。実際に大学院時代に、5つの論文を書き上げました。本学で言えば、准教授昇任の基準を超えています。 

 繰り返すけど、もし君にパートナーがいるならば、君に残されている枠は2つだ。その一つに「ゼミ」を入れることを薦めるよ。なぜなら、卒業したら決して経験できないことを経験し、学び、成果を上げることが出来るから。

 どうする?

 

西川純、小林学(1984.7):高校生の電気概念の理解に関する調査、理科教育学会研究紀要、25(1)、日本理科教育学会、19-27

西川純、小林学(1984.10):電気・電子科及び普通科生徒の電気概念についての比較研究、 科学教育研究、8、日本科学教育学会、177-185

小林学、西川純(1985.4):高等学校生徒の電気概念の理解の男女差について、筑波大学学校教育部紀要、7、筑波大学学校教育部、11-20

西川純、小林学(1985.10):戦後の経済・産業界の教育に関する要望・意見の変遷、科学教育研究、9、日本科学教育学会、100-106

Nishikawa,J.,Kobayashi,M.(1986.4):Recent Revision of "Science" Curriculum for Upper Secondary School in Japan, Science Education, 70(2), JOHN WILEY & SONS,123-128